ゲーミングPCはどんなグラフィックスカードを搭載したマシンを買うべきだろうか? 重量級ゲーム主体なら、迷わず"一番いいGPU"を搭載したものを買うべきだが、ハイパワーGPUは電源のチョイスから適切な冷却に至るまで扱いが難しい。だからこそ注文して到着したら即稼働状態に持ち込める、通販メーカーのBTOマシンを使いたいもの。
では具体的にどんなGPUがいいか考えると、GeForceかRadeonかという話にシフトしていくが、今注目のGPUといえば最新積層メモリ技術「HBM(High Bandwidth Memory)」を初めて採用した「Radeon R9 Fury X」だろう。
今回紹介するマウスコンピューターの「NEXTGEAR-MICRO im550PA6-SP2」は、最速のRadeon "Fury X"とLGA1150では最速の"Core i7-4790K"を組み合わせた小型でパワフルなデスクトップ機だ。早速外観などからチェックしてみたい。
話題の「Radeon R9 Fury X」を組み込んだRadeon派垂涎のゲーミングPCが「NEXTGEAR-MICRO im550PA6-SP2」。MicroATXケース採用で通常の「NEXTGEAR」シリーズより一回り以上小さい。マウスコンピューターの直販サイトにて219,800円(税別)で販売中だ |
通気性を第一に考えたスタイル
「NEXTGEAR-MICRO」の製品名が示す通り、本機はMicroATXをベースにした比較的コンパクトなタワー型デスクトップPCだ。通常版NEXTGEARは甲冑のマスクのようなデザインだが、NEXTGEAR-MICROはフロントもサイドもメッシュを多用した通気性重視のデザインとなる。基本構成はCore i7-4790Kに16GBメモリ、Radeon R9 Fury Xと2TBのSATA HDDといったところ。ハイパワーな構成なので通気性重視のデザインは正解だ。
左サイドパネルはほぼ全面がメッシュで通気性は抜群。ちなみにBTOではメッシュをアクリルパネル(ブルーLED付きもあり)に交換することも可能だ |
メッシュがあるおかげでFury Xの動作中に点灯する赤色LEDがハッキリと認識できる。特に補助電源側のLEDはGPU負荷に応じてステレオのレベルメータのように点滅する |
Fury Xを採用し、一番発熱量の多いGPUを水冷にしているのが本機最大の見所だ。ラジエータはケースのフロント側に設置されているが、ファンの風はフロントパネルから吹き出す方向に設置されているため、ラジエータの熱をケース内に吸い込む心配はない。口径は小さいが最下段のシャドウベイに吸気ファンも設置されているほか、背面と天井には排気ファンもあるため熱がこもる心配は皆無だ。
HBMを採用し基板サイズが小さいのがFury Xの売り。そのため内部は結構スッキリとしている |
Fury Xのラジエータはフロント側に固定されており、ケースの内側から外へ向けて熱気が出るようになっている |
LGA1150で最速のDevil's Canyonこと"Core i7-4790K"に16GBメモリを搭載。CPUの冷却はリテールクーラーだが、動画編集などで全力で稼働させるならBTOの水冷クーラーに交換し、CPUとGPUのデュアル水冷PCにするのもいいだろう |
フロントパネル下部のマスクを外すと吸気用の80mmファンが露出。ダストフィルタは装備されていないが、マスクが簡単に外せるのでメンテナンスは極めて簡単だ |
ケース上部にはトップファンを設置し、CPU付近の熱を上方に逃がす。ケース内の冷却に関しては万全の設計といえるだろう |
組み込まれているマザーボードはシンプルなH81マザーなので搭載装備は決して多くないが、USB 3.0やギガビットイーサなど必要なものは一通りそろっている。ただ最近のソフト(特にゲーム)がダウンロード販売・流通へシフトしてきている状況を反映してか、本機は光学ドライブがBTOオプション扱いとなっている点に注意したい。パッケージ版ソフトを使う予定のある人は、USB接続の外付けタイプでいいから買っておくべきだろう。
ただ、せっかくAMD製GPUを搭載しているのだから、ぜひBTOでBDドライブ(再生ソフト付きでプラス11,900円)を追加して、Radeonオンリーワンな動画のアプコン機能「Fluid Motion Video」によるヌルヌル動画再生も堪能して欲しいものだ。