日本からは香川高等専門学校(香川高専)の「すくえあ(Screen AIR)」がInnovation部門で出場し、プレゼンテーションを行っている。

Innovation部門で出場した日本のチーム「すくえあ」のプレゼンテーション。途中で自己紹介を混ぜつつ、コント風の解説と実演で会場を沸かせる

磁石とフィルム、磁気センサーを組み合わせて風圧を検知可能な専用ハードウェアとプロジェクタを組み合わせて風圧検知スクリーンを作成し、これにPhysXの物理演算を組み合わせ、本来は見えないはずの風の流れをシミュレーションするハードウェア+ソフトウェアの仕組みが特徴となっている。これに風圧検知を利用したアプリケーションを用意し、ゲームやインタラクティブデモを楽しめるようになっている。

ハードウェアとソフトウェアのアーキテクチャ解説とビジネスモデルの紹介

すくえあについて、4月の地区大会からハードウェアやソフトウェア的なものはアップデートは行われておらず、アプリケーションやメニューがいくつか追加されただけだ。ただ、Imagine CupのWorld Finalsでは英語でのプレゼンテーションや受け答えが必要になるという理由もあり、プレゼンテーションの練習やブラッシュアップ、英語の勉強には多くの時間を費やしたようで、このあたりが世界進出にあたっての大きな壁になっていた。

インタラクティブにアプリケーションが楽しめる「すくえあ」は筐体が目立つこともあり多くの来場者の興味を惹いたようで、展示会場では多くがブース前に立ち寄って実際に解説を聞いたりアプリケーションを楽しんでいた

本戦ではルール変更もあってプレゼンテーションはプレゼンテーションに集中、Q&Aは対面形式で直接やり取り可能と、香川高専のチームには比較的やりやすい条件となった。専用デバイスの存在やアプリケーションの数々はわかりやすく、皆の目を惹くというメリットもあり、来場者の反応も良かったというのがそばでデモストレーションや取材風景を見ていた筆者の感想だ。

また、香川高専の実際のプレゼンテーションに際しては、シアトルで開催されているTechReadyに参加していたMicrosoftのエヴァンジェリストら日本から渡米していた技術チームがわざわざ車で会場に駆けつけるなど、関係者らが一同に応援していたのも印象的だ。

審査員らに受けたのは息を吹きかけると画面に炎が出現するインタラクティブデモのほか、画面に次々と出現する"的"を息で消していくゲームで、「説明せずとも実演で理解してもらえる」というのは非常に大きいと感じた。