Wi-FiとNFC機能でスマートフォンやタブレットと連携

もっとも大きなちがいは、Wi-FiとNFC機能を搭載してワイヤレスに対応した点だ。リモート撮影ソフト「GR Remote」、画像転送ソフト「Image Sync」により、スマートフォンやタブレットとの連携が可能だ。GR Remoteはブラウザベースのアプリになっており、アプリ自体をダウンロード&インストールする手間がない。

側面のWi-Fiボタンは長押しするとWi-Fiが起動する。通常の押し込みではエフェクトモードのメニューがあらわれる

昨今、デジタル画像の最終出力先はSNSであることが圧倒的に多い。プリントではなく、ブログやホームページでもなく、Twitter、Facebook、Instagramなど、SNSへの投稿が大半を占めるのではないか。硬派なGRシリーズにスマホ連携など不要、という人もいるかもしれないが、現代のデジタル画像のあり方には抗いようもない。そう考えたとき、道具としてワイヤレス機能を備えておくことは、もはや必然と言える。いずれにしても、GR IIで撮った画像をパソコン経由でSNSにアップロードする手間を思えば、スマホ連携のアドバンテージは言うまでもないだろう。

GR Remoteはウェブブラウザ上で動作するアプリ。GR IIの多くの機能をリモートコントロールできる

Image Syncは画像をスマートフォンなどに転送するアプリだ。撮影画像をプレビューしながら選択できる

6種類のエフェクトモードを追加

もうひとつの大きな強化点はエフェクトモードのバリエーションだ。明瞭コントロール、光沢コントロール、HDR調、鮮やか、人物、雅 (MIYABI) の6種類がが追加され、側面のEffectボタンでメニューを呼び出し、モード変更できる。明瞭コントロールと光沢コントロールは、それぞれ「明瞭度」と「光沢度」の効き具合をスライドバーで調整可能だ。

明瞭コントロールと光沢コントロールは、「明瞭度」ならびに「光沢度」を9段階でスライドバー調整できる

エフェクトモードは撮影時に選択することも可能だが、お薦めはカメラ内RAW現像の活用だ。GR IIはカメラ内RAW現像でエフェクトモードが選択でき、さらに各モードの詳細設定も調整できる。撮影後にじっくりと絵を作り込めるわけだ。1枚のRAWデータから何枚でも現像できるので、いろいろなパターンを試せる。カメラ側でじっくり仕上げ、ワイヤレスでスマートフォンに転送してSNSにアップ。パソコンを介さずデジタルフォトを自在に操る。そんなワークフローがGR IIからは見えてくる。

新エフェクトモードの「HDR調」は、HDR処理で絵画調になった写真を模したようなエフェクトだ。その効きは強烈である

明瞭コントロールはいわゆるローカルコントラストのことで、輪郭部分のコントラストを強めてディテールを際立たせる。左上が明瞭度:9、右上が明瞭度:5、左下が明瞭度:1

光沢コントロールはハイライト部分を強調し、光沢感を演出する。光沢部分以外のハイライトも強調されるため、絵面を選んで適用したい。左上が光沢度:9、右上が光沢度:5、左下が光沢度:1