ハイアールアジアは7月23日、AQUAブランドで展開する縦型洗濯機の新製品「SLASH(スラッシュ)」と「TWIN WASH(ツインウォッシュ)」シリーズについて記者説明会を開催した。いずれも6月下旬に発売された製品だ。

SLASHのカラーは左からオーシャンブルー、パッションレッド、プレミアムゴールド。縦型洗濯機ながら、開口部がドラム式のようにも見える。スタイリッシュで斬新なデザイン

TWIN WASHシリーズ。左から洗濯容量10kgの洗濯乾燥機「AQW-TW1000D」、同10kgの全自動洗濯機「AQW-VW1000D」、同8kgの洗濯機「AQW-VW800D」

洗濯槽が斜めの「SLASH」

製品説明とデモンストレーションを行った、ハイアールアジアの萩生田康一氏

SLASH(AQW-GT800)は、斜めに傾いた洗濯槽が特徴の全自動洗濯機。手前側に傾けたメリットは、まず衣類の出し入れしやすさにある。「洗濯槽を手前に傾けることで奥まで見やすく、取り出し忘れも少なくなる」と、洗濯機の商品企画を担当する、ハイアールアジア ジャパンリージョン アクアランドリーカンパニー ランドリーグループ・マネージャーの萩生田康一氏は語る。

パルセータ―(洗濯槽底部の羽根)で水をかく拌して衣類を洗う縦型洗濯機は、布がこすれるために、ドラム式に比べて衣服が傷みやすいことと節水性に弱点がある。SLASHでは、洗濯槽を斜めに傾けたことでこれらの問題の解消を図ったと説明する。

【左】洗濯槽が手前に傾いているため、中が見やすく衣類の出し入れもしやすい。槽を傾けたことにより生じた出っ張りは、部分洗いのために衣類へ洗剤を塗布するためのスペースにも活用できる。【右】カットモデル。洗濯槽が斜めに傾いているのがわかる

【左】洗濯槽を吊り下げるダンパーには、振動を抑え、耐久性を高めた新構造を採用。【右】ドラム式、縦型洗濯機のメリット・デメリット比較。SLASHではでは両者のメリットを取り入れた

スラッシュウィングは斜めに傾いた洗濯槽専用のパルセーター

「スラッシュウィング」。SLASH専用に開発された

「卵を溶くときや、ミキサー車、哺乳瓶で粉ミルクを混ぜ合わせる時などは容器を傾けてかく拌する。この原理を縦型洗濯機にも応用した」(萩生田氏)

洗濯槽を斜めに傾けることで上下方向の水流を生み出し、洗浄力アップも実現。それだけでなく、水流を起こすためのパルセーターも、独自の「スラッシュウィング」を新たに開発した。

スラッシュウィングは斜めに傾いた洗濯槽専用に設計したもので、羽根の中心が中央でなく、片側に偏った構造になっている。衣類を持ち上げて洗うため、かく拌しやすいだけでなく、布の絡みや傷みを抑えて優しく洗いあげられるという。ハイアールアジアによれば、通常のパルセーターを使った場合に比べて、洗いムラは約30%、洗浄力は約16%向上し、消費電力量は約9%低減を実現したとのことだ。

ハード的な構造だけでなく、布を傷めないようやさしく洗うためのモードも用意。標準の洗濯コースを、「やさしく」「節水」「おまかせ」の3つに細分化し、「やさしく」コースでは使用水量多め、水流弱めに設定。衣類の洗濯表示にある「弱」に対応する。萩生田氏は「弱表示の衣類は意外に多い。これまでの洗濯機ではネットに入れて、洗い時間を短くするなどの対応しかできなかったが、SLASHでは弱い水流で洗う。そのため、本当の意味での"弱洗い"ができる」と解説した。

【左】「節水標準」「やさしく標準」「ドライ」コースの水流の比較。【右】操作設定のパネルは、フタを開けた内側にある

フタを閉じた状態。操作部は電源とスタート、停止ボタンのみで見た目もスッキリ。シンプルで使いやすそうなデザインだ

次ページでは、TWIN WASHシリーズについて解説する。