高品位な外観デザインと良好な光学性能

「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」の外装は、金属を多用した高品位な作りとなっている。防塵・防滴と耐低温性能を備え、悪条件下でも安心して使用できる点もありがたい。

サイズは最大径78.9mm、全長105.8mm。重量は534g。マイクロフォーサーズレンズの中ではやや大柄の部類だが、大口径の超広角ズームとしては小型軽量といっていい。カラーリングは、黒を基調にして先端付近の外周に青と銀のリングを配置。レンズ前部はガラスが丸く突き出ていて、それをガードするように、先端部には固定式の花型フードが装備されている。

レンズの鏡胴部には幅の広いフォーカスリングとズームリングがあり、どちらも操作感は滑らかだ。AFはリニアモーター駆動によってスピーディに作動する。AF駆動音は静かで気にならないレベルだ。

OM-D E-M5 Mark IIに装着した状態

画像中央部の写りは、ズーム全域でシャープな描写となる。周辺部は絞り開放値ではわずかに甘さが見られるが、気になるほどではない。1段絞ることで四隅までくっきりとした写りになる。また、超広角ズームで生じがちな歪曲収差が目立たないよう補正されている点にも好印象を受ける。

次の2枚は、ズームの7mm側を使って、水平アングルで撮影したもの。前ページでは遠近の強調効果を生かし、多くのカットをカメラを傾けて撮影したが、このようにカメラアングルを水平にすれば、垂直線をまっすぐにそろえることが可能だ。

マニュアル(F4.5 1/20秒) ISO500 WB:太陽光 焦点距離:7mm カメラ:OM-D E-M5 Mark II

絞り優先AE(F11 1/100秒) ISO200 WB:太陽光 焦点距離:7mm カメラ:OM-D E-M5 Mark II

最短撮影距離は20cmで、最大撮影倍率は0.12倍 (35mm判換算で0.24倍相当)。超広角ズームレンズとしては比較的近寄れるほうであり、ちょっとした接写も行える。

絞り優先AE(F2.8 1/250秒) ISO200 WB:太陽光 焦点距離:14mm カメラ:OM-D E-M5 Mark II

マニュアル(F8 1/250秒) ISO200 WB:オート 焦点距離:7mm カメラ:OM-D E-M5 Mark II

今回の試用では、超広角ならではの作画の面白さと、ハイレベルな光学性能を堪能することができた。写りのよさに加え、高品位な外観デザインと滑らかで心地よい操作感も気に入った。弱点を挙げるとすれば、レンズ前面のガラスが突き出ているため、フィルターを装着できない点だろう。ただ本製品に限らず、ワイド側14mm相当の超広角ズームの場合、フィルター非対応は一般的である。

なお、今回の「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」は、2013年発売の標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」と、2014年発売の望遠ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」に続く、同社製マイクロフォーサーズレンズでは、全域F2.8ズームの第3弾となる製品だ。

この3本をそろえることで、14mm相当の超広角から300mm相当までの望遠を開放値F2.8の明るさで撮影可能になる。マイクロフォーサーズユーザーの中でも、明るさと写りを重視する人にとっては、ぜひとも入手したい憧れの3モデルといっていい。この3本さえあれば、何でも高画質で撮れる、そんな気分にさせてくれるレンズである。

マニュアル(F8 1/20000秒) ISO200 WB:太陽光 焦点距離:7mm カメラ:OM-D E-M5 Mark II