部屋を3Dで認識できるように

本体前面に搭載している「くらしカメラ 3D」

くらしカメラ、くらしカメラ ツインに続く第3世代となるのが、今回の「くらしカメラ 3D」である。くらしカメラ 3Dは、これまでの画像カメラ、温度カメラに加えて、ソファやテーブルといった家具の位置や形状を見ることができる「ものカメラ」を搭載。これによって、部屋を立体的に捉えて、気流の通り道を見つけ出せるようになったという。3Dという名称は、室内を立体的に捉えることを示すとともに、画像カメラ、温度カメラ、ものカメラの3つの「カメラ」を使用していることを表すそうだ。

「特に首都圏のマンションや一戸建てに多いが、日本ではリビングとダイニングがつながった間取りがよく見られ、ソファーやテーブルで区切るというレイアウトをしているケースが多々ある。

そのため、ソファーやテーブルなどに気流が当たって、冷気だまりができ、夏場は部屋全体が涼しくならない、あるいは冬場は足もとが暖かくならないといった問題が生じていた。画像カメラと温度カメラに、ものカメラを加えることで、新しいXシリーズは部屋を立体的に捉え、気流を遠くまで届けられる道を発見する。このくらしカメラ 3Dが、日本のリビングにあわせた気流の制御を可能にした」と語る。

白くまくん Xシリーズのリモコン。下部に「気流の通り道」、間取りをサーチするボタンを搭載

くらしカメラ 3Dの開発のために、社員宅のリビングの様子を撮影して持ち寄ることで、リビングにおける家具などの配置についても研究。日立研究所が蓄積してきた赤外線技術などを活用し、部屋の形状や家具配置にかかわらず、気流の通り道を見つけ出せるようになったという。

さらに、リビングの隣に和室などがつながっている間取りも多いことから、続いている部屋にも気流を送ることを考えた。そこで、7m先までの状況を把握できる「新・間取りサーチ」により、隣の部屋まで涼しくできる機能を追加。これは他社にはない、日立だけの機能だ。

また、家具の細かな配置変更や、大規模な模様替えなどにも対応できるように、ものカメラは12時間ごとに部屋の状況を確認。さらに人の位置を確認するために、画像カメラが向きを変えて、40秒ごとに、左右および正面の状況を確認。120秒で3つの方向をすべて把握し、最適な気流の通り道を随時探し出す。

効率よく気流を送る「3分割フロントフラップ」

くらしカメラ 3Dが見つけた通り道で、気流を送るのが、新たに採用した「3分割フロントフラップ」だ。それぞれに独立した3枚のフラップが、通り道にきめ細かく制御した気流を送ることで、冬は足もとを暖かく、夏は人のいるエリアを中心に、冷風を効率よく循環させ、部屋全体を涼しくする。

3分割にしたのは、家族構成の平均人数が3人であることを反映している。リビングに3人がバラバラの位置にいても、遠いところから近いところまで、それぞれの位置を捉えて、独立したフラップにより、最適な気流を送るのだ。

「3分割フロントフラップ」が独立して風を送る

なお、暖房運転時には、「くらしカメラ 3D」と「3分割フロントフラップ」によって足もと付近からしっかり暖める「ゆか暖」機能を実現。在室者の足もと付近をめがけて暖房運転を行い、足もと付近の温度を約36℃までしっかりと暖める。