面白い話題の2つめは、9 to 5 Macが報じている次期iPadに関するものだ。同誌はEconomic Daily Newsの記事を引用して、12.9インチクラスの大画面タブレットといわれる「iPad Pro」と、小型タブレットの「iPad mini 4」が今年のクリスマス商戦期(10~12月期)の後半に登場するという噂を紹介すると同時に、このiPad mini 4が「iPad mini」というカテゴリで最後の製品になると指摘している。
理由として挙げているのが、大画面化したiPhoneと製品的に被っており、結果としてiPhoneが小型iPadの市場を食っているというものだ。ただし筆者は別の推測もしており、iPad miniの販売台数が落ち込んだ理由として「高機能化にともない販売価格が上昇してiPad miniを選ぶ理由の一部が薄れたこと」を挙げる。
iPad miniはもともとNexus 7やAmazon Kindle Fireなど、200ドル台の低価格の小型タブレットが多数登場してきたことを受け、対抗策として市場投入されたもので、実際に既存のiPadと比べて6~7割程度の価格設定が行われていた。ただ、小型iPadでも部品コストそのものは通常のiPadとそれほど差異はないため、結果として製品の利益率が悪化し、Appleの業績にネガティブなインパクトを与えている。実際、Retina対応をきっかけにAppleがiPad miniの本体価格を引き上げてきたことからもわかるように、製品ラインとしてiPad miniはあまりAppleにとって魅力的ではないのだろう。
Economic Daily Newsの噂が本当なのならば、Appleは自身にとってプラスにならない製品を意外とあっさりと切る会社なのだということだ。つまり売上的にはそれほどでなくても、Appleにとって新製品を出してプロモーションも行うiPod touchはそれなりに魅力的な製品なのだとも推察できる。