メガネの種類を問わず見えやすさも向上

WD-100A/Gはディスプレイ部からハーフミラを使ってメガネに映像を写し込むため、現実の視界の上に映像が入りこむというスタイルだった。200A/250Aはミラー部を交換することで、反射型と半透過型を使い分けられるようになっている。

反射型と半透過型の使い分けは用途や利用スタイルにもよるが、映像の鮮明さや明るさ、見易さといった点では断然、反射型に軍配があがる。一方で、視点の移動や現実世界にARを重ねるといった用途では半透過型にメリットがあり、1台でどちらも選べるというのは心強い。

実際に筆者が装着してみたのは反射型だったが、着けなれないせいもあってか位置取りがうまくいかず、ディスプレイをしっかり見るのにはコツが要ると感じられた。ただし映像の鮮明さは相当なもので、映画などを流してもそれなりの迫力で見られるのではないか、というレベルだった。本機が対象としている産業用途の場合、細部をしっかり確認したいこともあるだろうが、この鮮明さなら見落としはなさそうだ。

見え方はこのような感じ。かなり鮮明だが、「1m離れた13インチディスプレイ相当」ということもあって細かい文字の閲覧には向いていない

将来の職場はヘッドマウントディスプレイが当たり前に?

エアスカウターは今後3年間で1万2,000台程度を販売する予定だという。将来、業務用ヘッドマウントディスプレイが数十万台規模の市場になるころには、全体のシェアの40%前後を占めたいという話だった。一方で、コンシューマ向けの製品展開は考えていないということも明言されており、少々残念なところもある。

実際に先行してAirScouter WD-200A/250Aを導入しているパナソニックの群馬大泉工場と、当代医学部付属病院では、かなりの好評が得られているということで、将来はこうしたヘッドマウントディスプレイを装着しながらの作業が当たり前のように増えていくかもしれない。

WD-200Aの販売予想価格は25万円前後、WD-250AはOEMによるセット販売が中心ということだったが、それよりも高い値段付けになるということだったが、魅力的な機器だけに、もう少し戦略的でアグレッシブな値付けにも期待したい。

7月16日16時50分更新

本稿では当初、「200A/250A」のミラー部について、「反射型(実像型)のみに対応している」という主旨の表現をしていましたが、実際には「半透過型と反射型(実像型)を使い分けることができる」ため、文中の表現を一部変更致しました。読者ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。