世に聞く節電の工夫は一体どのくらいの効果があるのか? 手間と電気代の両面から検証するこの企画。中級編では根気や時間・手間が必要で、ライフスタイルの変化を伴うような工夫をお送りする。そんなの無理! と感じるものもあるかもしれないが、ハマれば効果の高い方法も少なくない。節電であなたの家計に幸あれ!

初級編に引き続き、モデルケースとなるのは4人家族の森川家(イラスト:サワダサワコ)

■節電の夏、ちょっとの工夫で我が家の電気代はどれだけ浮く?
手軽に始めて効果大の節電「初級編」
生活習慣を見直してもっと節電「中級編」
省エネ家電に買い替えて快適&節電「上級編」
そこまでやるか!?「ドケチ編」

[中級編]節電と生活習慣の改善は表裏一体!?

ここでは、節電の工夫で得られる効果について、東京都郊外在住の"森川家"をモデルケースに数値で表記する。森川家は2009年に新居に移り、当時の人気モデルで家電を揃えた。モデルケースの詳細な背景などは初級編を参照してほしい。なお、以下に示した「ここまでのテクニック通算」は初級編を含めた額となる。電力会社との契約プランは、東京電力の「従量電灯BC」の第2段階料金(1kWh=25円91銭)。森川家が支払うであろう8月の電気代が節電の工夫でどれだけ変わるか見ていく。

(参考)2009年の販売数量1位の製品
(参考)2014年の販売数量1位の製品

テクニック#1「エアコンのフィルターをこまめに清掃する」

2008年11月発売の日立の14畳用ルームエアコン「白くまくん RAS-S40Y2」

エアコンのフィルターに、ホコリなどの汚れがたまると冷房効果が低下する。エアコンは設定温度に近づけるために余計な電力を使うため、ひどいときは電力ロスが25%にもなる。理想的には毎週、できれば2週間に1回はフィルターを掃除したい。森川家では3カ月に1度程度だったフィルター清掃を毎週実施。さらに初級編で紹介した方法も併用し、冷房にかかる電気代をさらに217円節約した。
■4,344円 → 4,214円
■130円の節約!
ここまでのテクニック通算:2,678円の節約!

テクニック#2「他にもいろいろ、エアコンの節電テク」

エアコンは他にも、細かい節電テクニックが多くある家電だ。例えばカーテンやブラインドで直射日光を防ぐと、室温が上昇するのを緩和して消費電力を低減できる。ちなみに室外機も、直射日光の当たらない日陰のほうが電気を食わない。ただし、カバーなどで覆うと排気効率が落ちて逆効果なので注意が必要だ。

このほか、エアコンは運転中よりも運転開始時により多くの電気を消費する。節電のつもりで頻繁にオン・オフするとかえって電気を使うので気を付けよう。室温が快適になったらオフにするのではなく、設定温度を上げて冷え過ぎを防いだほうがロスが減る。部屋を空ける場合も1時間程度で戻るのであれば、おおむねつけっぱなしのほうが安くなる。森川家ではさまざまな節電テクニックを用いて冷房の費用をさらに124円カットできた。
■4,214円 → 4,090円
■124円の節約!
■中級編の通算:254円
ここまでのテクニック通算:2,802円の節約!