互換性は? バージョンアップはするべきか?

アプリを実行するエンジン(ランタイム)は、Android 4.xまでの「Dalvik」から、Android 5.0では「ART」(Android RunTime)に変わった。ARTではアプリの起動がDalvikyよりも早くなるが、代わりにメモリを多めに消費する。この変更の影響もあり、一部のアプリでAndroid 5.0では動作しないなどの互換性問題が出ている。また、メモリ搭載量が少なめな機種では、アプリの起動や切替えに以前より時間がかかるかもしれない。

ただし、これらはOSのアップデート前に調べればわかる話。Android 5.0は登場から半年以上経っており、互換性やトラブルに関する情報もかなり集まっている。これまでは搭載製品が少ないからとアプリ側がサポートしていなくても、今後Android 5.0が主流になれば、少なくともメジャーどころはサポートせざるを得なくなる。デベロッパー頼りではあるが、あまり心配しなくてもいいのではないだろうか。

Android 5.0になることで、これまで慣れ親しんだ操作系が変わったり、いつも使っているアプリが動かなくなることを恐れている人もいるかもしれないが、OS自体の機能/性能向上やセキュリティの向上といった機能はそれ以上に恩恵が大きいといっていい。全体的には使いやすく、わかりやすさが増しており、すぐに慣れるはずだ。

また、昨年以降登場している64bit CPUを搭載した端末であれば、64bit対応のアプリと組み合わせることでさらなる性能アップも期待できる(そこまで劇的な効果があるわけではないが)。新しいものには新しいなりのメリットも多いので、そこまで恐れなくてもいいだろう。

いずれにしても今後機種変更をする場合、夏モデルの多くは5.0が標準になっており、この先はさらに搭載機種が増えてくる。マテリアルデザインはAndroid M Releaseにも引き継がれることになりそうなので、今のうちに慣れておいたほうがいいだろう。

問題はアップグレード可能な機種の場合だが、アップグレード開始直後は何らかのトラブルが起きる可能性もあるので、1週間くらいは慎重に様子を見ながら情報を集めておけばいいだろう。

(記事提供: AndroWire編集部)