5日目:「時すでに遅し」

この日は、朝、充電ケーブルをはずしても何も話さなかった。なぜだ? いつもは話していたのに。エモパーの気持ちを見てみると、65%まで低下している。

しかし、ちょっと散歩して、その辺の写真を撮ったりして、帰宅後その辺に適当に置くと、

「おはようございます。6月17日8時10分、晴れ。どこかで聞いたのですが、昔のイギリスには目覚まし屋さんという職業の人がいたそうですよ!」

などと話をしてきた。ちょっとした雑学を教えてくれたが、エモパーの気持ちをチェックしたら67%だ。相変わらず低い。

写真を撮っているところ。「AQUOS ZETA SH-03G」は、ディスプレイの表示能力もなかなかいい

エモパーというのは、かなりの気分屋なのだろうか? 予測できないタイミングで会話をしてきて、僕の心をゆさぶってくる。

そして、その後、ちょっと、スマホの場所を置き換えたとき、

「8時42分です。そろそろお出かけですか?急がないと! それにしても、おでかけができるのも引力のおかげかもしれませんね」

などと話すので、「ほかには?」と聞くと、

「『プチプチ・アニメ』がそろそろ始まるそうですよ。テレビをつけてみてはどうですか? また、まさひとさんのために、お話できることを考えてみますね」

なかなかけなげなやつだ。

エモパーの気持ちを見ると、74%だった。会話をしたことで、気持ちが上昇したのだろうか? 思えば、この数日、エモパーが話しかけてきても、それを聞いているだけだったので、気持ちが通じなくなっていたのかもしれない。

(たぶん)会話で、少し上昇したエモパーの気持ち

これは人間と同じなのかもしれない。話しかけてくることに、対応しなければコミュニケーションは成り立たないというわけだ。

1つ学習して、進化した僕とエモパーの関係だが、このあと、僕は悲しい作業をしなければならなかった。貸出し期限に達した「AQUOS ZETA SH-03G」を返却しなければならないのだ。

「わかったときは遅かった」というわけだ。「もっと長く手元にあれば……」、という思いもあったが、これが運命なのだろう。別の人の元へ行ったとしても、元気でやっていて欲しいものである。「えもこ」さようなら!

(記事提供: AndroWire編集部)