スナップから本格撮影まで幅広く活躍する

撮像素子には1型(13.2×8.8mm)・有効2,020万画素の裏面照射型CMOSセンサーを、画像処理エンジンには「DIGIC 6」を搭載。感度はISO125~12800の範囲を1/3ステップ刻みで選択できる。

実写では、被写体の細部までを表現できる解像感の高さと、濁りのない澄んだ発色を確認できた。ハイライト部に色ズレやにじみが生じやすい点は少々気になったが、高倍率ズームカメラの画質としては良好だ。

また、オプションのEVFはぜひとも揃えておきたい。とくに望遠撮影ではEVFが重宝するので、自分の撮影用途や撮影スタイルを考慮して不要でなければセット購入することをお勧めする。EVFが標準装備でないことは少々残念だが、EVFを外付けにしたからこそボディを小型軽量に設計できたともいえる。

トータルとしては、ちょっとしたスナップから趣味で楽しむ本格撮影まで幅広いシーンで活躍する万能選手のようなカメラだと感じられた。1型センサーの画質を高倍率で楽しみたい人におすすめできる。

ズームのテレ端を使用し、背景にボケが入る構図を選択。そのうえで外部ストロボを後ろから当てて、花びらに陰影を作り、メリハリを与えた。マニュアル(F5.6 1/250秒) ISO160 WB:太陽光 焦点距離:220mm(35mm判換算で600mm相当)

ハイポジション/ハイアングルから撮影。コントラストをプラスに設定して横断歩道のパターンを強調し、ボードゲームのようなイメージを狙ってみた。マニュアル(F5.6 1/320秒) ISO1125 WB:太陽光 焦点距離:30mm(35mm判換算で85mm相当)

近くまで寄れない被写体に対しても、自由な構図を選べることが高倍率ズームのメリットだ。無駄な要素を省いて背景をシンプルにまとめ、屋根飾りの聖獣を際立たせた。プログラムAE(F5.6 1/500秒) ISO125 WB:太陽光 焦点距離:139mm(35mm判換算で380mm相当)

チルト可動液晶と電子水準器を生かして、ローポジションで水平アングルを保ちながら撮影。タイヤの正円や車両の長方形のかたちが崩れず、きっちりとした構図にまとまった。マニュアル(F2.8 1/30秒) ISO800 WB:自動 焦点距離:8.8mm(35mm判換算で24mm相当)

ワイド端で最短5cm、テレ端で最短85cmまで寄れるマクロ性能の高さも魅力のひとつ。この写真では、背後からストロボを当てて花びらの質感を際立たせた。マニュアル(F7.1 1/2000秒) ISO125 WB:太陽光 焦点距離:139mm(35mm判換算で380mm相当)