登壇したNetflix日本法人のグレッグ・ピーターズ社長は、コンテンツについて「世界中から届くが、日本からも世界に発信する」と、日本のコンテンツが、Netflixのネットワークを通じて海外展開できる可能性を提示。ピーターズ社長は、小さい頃から小津安二郎、黒澤明といった日本映画に親しみ、最近でもドラマ『半沢直樹』や、映画の『深夜食堂』といった日本のコンテンツを見て「大変面白かった」と語りながら、ストーリーが素晴らしい作品は、世界共通で受け入れられるとの考えを語った。
一方で、日本のマーケットは、日本のコンテンツが最も強いという特徴を捉えた上で、「そうしたユーザーの期待には答えていきたいので、日本のコンテンツの配信に、どんどん取り組んでいきたい」と、日本の作品ラインナップの充実化に意欲を示した。既に、17日にはフジテレビの『テラスハウス』や、オリジナル新作ドラマ『アンダーウェア』の配信が発表されており、このほかにも新作や、これまでの名作を含め、配信数を増やしていく計画だ。
また、大崎貴之副社長は、最も重要視している日本のコンテンツのジャンルに「アニメ」を挙げた。日本のアニメは世界各国で人気があり、ファンのコミュニティが形成されているため、海外展開で成功するチャンスが高いジャンルだ。既に、世界各国のNetflixでは、ポリゴン・ピクチュアズが制作した『シドニアの騎士』が配信されており、クリエイターとも関係を築いているという。
Netfixでは"クリエイティブフリーダム"という理念を掲げている。これはユーザーがいつでもどこでも自由に視聴できるという環境を指しているだけでなく、クリエイターが今までにない自由度を持って制作にあたるという意味も含まれている。ピーターズ社長は、この自由の内容について、1つは「世界中の人とつながって自分の作品を多くの人に届けること」を挙げ、これによってファンのベースを広げることで制作費にも反映できるとの考えを示した。
もう1つの自由としては「1エピソード何分というフォーマットの制限から外れて制作できること」を挙げた。そうした上で、「才能あるクリエイターと、10年、20年でワクワクする新しいストーリーを作っていきたい」と、長期的な視点で日本での映像配信サービスの開拓に挑んでいく覚悟を語った。