最新ゲームも画質高めの設定で遊び倒せる
では実際に「NEXTGEAR-NOTE i3500GA1」が、どの程度の性能が出るのかチェックしてみよう。まずは基礎体力測定として「CINEBENCH」および「CrystalDiskMark」を実行させてみた。前者はCPUの馬力を、後者はストレージ性能をチェックするものだ。
ついでに「bbench」でバッテリーの持続時間も調査してみたところ、5時間33分とまずまずの結果が得られた。電源プランは"バランス"、液晶輝度50%固定、無線LANでサイトを延々と巡回する作業を想定している。巡回するサイトは「bbench」標準のものは古すぎるため、今どきのサイトに変更してテストした。
では本題のゲームにおけるパフォーマンスをチェックしてみたい。まずは定番の「3DMark」から、フルHD環境の本格ゲーミングPCを想定した「Fire Strike」と、本機のようなゲーミングノートを想定した「Sky Diver」を実行させてみた。
GTX 960Mは省電力性も重視したモバイル用GPUなので、Fire Strikeのスコアはやや低め。4000ポイント台というスコアは、(筆者の経験則的に)重量級のゲームをガンガン回すには少々しんどいが、中~軽量ゲームならイケる感じだ。
では実ゲームに近いベンチも試してみよう。まずは拡張パック「蒼天のイシュガルド」が話題を呼んでいる「ファイナルファンタジーXIV」の最新公式ベンチマークだ。「蒼天のイシュガルド」では、ついにDirectX11に対応し、より美しい映像表現が可能になっているが、このベンチはDirectX9と11を切り替えて性能の違いを見ることができる。フルHD液晶搭載機なのだから解像度は1920×1080フルスクリーン、画質は"最高品質"に設定してチェックしてみた。
DirectX11モードではスコアは落ちるが、ベンチ中のフレームレートの挙動を見てみると、多量のキャラが通過するときに30fpsをやや割り込む以外は、おおよそ40fps台を推移していた。新拡張パックの世界を最高画質で楽しみたい人には、打って付けのマシンといえる。
続いては描画が凝っている割には軽めな、「METAL GEAR SOLID:GROUND ZEROES」のフレームレートをチェックしたい。このゲームのPC版は家庭用ゲーム機より水の反射表現などがリアルなため、より高画質設定で楽しみたい。
テストでは、ゲームの舞台となる基地上を走り回ったときのフレームレートを「Fraps」で測定した。解像度は1920×1080、画質はデフォルト設定(一部を除きほぼ最大)のほか、全項目を最高に設定したときの2通りを試している。
デフォルトの画質設定でも平均45fps以上と、フルHDで快適に遊べる性能を発揮。最高画質にするとやや重くなるが、それでも30fpsは余裕でキープできている。最高画質とデフォルト画質の違いは、テクスチャーの微妙なディテールと背景オブジェクトの微妙なディテールダウンなので、デフォルト画質でも十分美しい。
次に戦場モノからいきなり刑事モノに大転換を遂げた「バトルフィールド ハードライン」の挙動もチェックしよう。描画エンジン自体は「バトルフィールド4」と大差ないが、重量級と評価されていた「4」の時代から、GPUは格段の進歩を遂げており、今となっては中量級代表といってよい。
テストはプロローグのカーチェイスシーンにおけるフレームレートを「Fraps」で計測した。解像度は1920×1080、画質はデフォルトの"自動"だと"中"設定に等しいので、さらに上の"最高"と"高"設定も試してみた。
さすがに最高画質にするとプレイアブルであるものの、最低fpsが30を割るためカク付きが目に付いてしまう。しかし高設定以下にすれば、フレームレートは一気に上がる。ちなみにVRAM消費量は最高画質設定でも1.3GB未満と非常に少なかった。
最後に「Grand Theft Auto V」でもテストしてみた。ハイパワーPC向けにかなり重い設定("高度なグラフィックス"項目)まで用意されているが、デフォルトの画質設定のほかに、"グラフィックス"内の項目をほぼ最大(アンチエイリアス系4X、TXAAなし、影はPCSS)にした設定を"最高"として試してみた。デフォルトでのVRAM消費量は1.4GB強だが、最高にすると2.8GBまで跳ね上がる。
テストは、市街地の一定のコースを移動したときのフレームレートを「Fraps」で計測した。解像度は1920×1080だ。
ここまででわかった通り、GTX 960Mは「話題の最新ゲームを最高画質で遊ぶ」的な楽しみ方には少々パワー不足の面もあるが、1~2ランク落とせば高画質を維持したまま快適に遊べるパワーを秘めている。本機は「13.3インチクラスの小型ノートでも快適なフルHDゲーミング環境が欲しい」という人のための製品なのだ。