最新ゲームも画質高めの設定で遊び倒せる

では実際に「NEXTGEAR-NOTE i3500GA1」が、どの程度の性能が出るのかチェックしてみよう。まずは基礎体力測定として「CINEBENCH」および「CrystalDiskMark」を実行させてみた。前者はCPUの馬力を、後者はストレージ性能をチェックするものだ。

「CINEBENCH R15」の結果。同格のCPUを搭載した15.6型級ノートに比べると微妙にスコアが落ちている印象を受けるが、あのボディサイズでもしっかり冷却されてCPUはちゃんと回る印象だ

「CrystalDiskMark」によるSSD(左)とHDD(右)の速度比較。バージョン4.0からテスト内容が激変したが、大きなファイルを読み書きしたときの体感速度に近い数値は最上段の2つだ

ついでに「bbench」でバッテリーの持続時間も調査してみたところ、5時間33分とまずまずの結果が得られた。電源プランは"バランス"、液晶輝度50%固定、無線LANでサイトを延々と巡回する作業を想定している。巡回するサイトは「bbench」標準のものは古すぎるため、今どきのサイトに変更してテストした。

では本題のゲームにおけるパフォーマンスをチェックしてみたい。まずは定番の「3DMark」から、フルHD環境の本格ゲーミングPCを想定した「Fire Strike」と、本機のようなゲーミングノートを想定した「Sky Diver」を実行させてみた。

「3DMark」によるスコア

GTX 960Mは省電力性も重視したモバイル用GPUなので、Fire Strikeのスコアはやや低め。4000ポイント台というスコアは、(筆者の経験則的に)重量級のゲームをガンガン回すには少々しんどいが、中~軽量ゲームならイケる感じだ。

では実ゲームに近いベンチも試してみよう。まずは拡張パック「蒼天のイシュガルド」が話題を呼んでいる「ファイナルファンタジーXIV」の最新公式ベンチマークだ。「蒼天のイシュガルド」では、ついにDirectX11に対応し、より美しい映像表現が可能になっているが、このベンチはDirectX9と11を切り替えて性能の違いを見ることができる。フルHD液晶搭載機なのだから解像度は1920×1080フルスクリーン、画質は"最高品質"に設定してチェックしてみた。

DirectX9モードにおけるスコア。フルHD+最高画質でも"とても快適"判定が得られた

DirectX11モードだとスコアは大きく下がったが、それでも"快適"判定は獲得できた

DirectX11モードではスコアは落ちるが、ベンチ中のフレームレートの挙動を見てみると、多量のキャラが通過するときに30fpsをやや割り込む以外は、おおよそ40fps台を推移していた。新拡張パックの世界を最高画質で楽しみたい人には、打って付けのマシンといえる。

続いては描画が凝っている割には軽めな、「METAL GEAR SOLID:GROUND ZEROES」のフレームレートをチェックしたい。このゲームのPC版は家庭用ゲーム機より水の反射表現などがリアルなため、より高画質設定で楽しみたい。

テストでは、ゲームの舞台となる基地上を走り回ったときのフレームレートを「Fraps」で測定した。解像度は1920×1080、画質はデフォルト設定(一部を除きほぼ最大)のほか、全項目を最高に設定したときの2通りを試している。

「METAL GEAR SOLID:GROUND ZEROES」のフレームレート。最高画質でも30fps以上は余裕でキープできている

デフォルトの画質設定でも平均45fps以上と、フルHDで快適に遊べる性能を発揮。最高画質にするとやや重くなるが、それでも30fpsは余裕でキープできている。最高画質とデフォルト画質の違いは、テクスチャーの微妙なディテールと背景オブジェクトの微妙なディテールダウンなので、デフォルト画質でも十分美しい。

次に戦場モノからいきなり刑事モノに大転換を遂げた「バトルフィールド ハードライン」の挙動もチェックしよう。描画エンジン自体は「バトルフィールド4」と大差ないが、重量級と評価されていた「4」の時代から、GPUは格段の進歩を遂げており、今となっては中量級代表といってよい。

テストはプロローグのカーチェイスシーンにおけるフレームレートを「Fraps」で計測した。解像度は1920×1080、画質はデフォルトの"自動"だと"中"設定に等しいので、さらに上の"最高"と"高"設定も試してみた。

「バトルフィールド ハードライン」のフレームレート。最高画質はちょっと厳しいが、高以下なら快適だ

さすがに最高画質にするとプレイアブルであるものの、最低fpsが30を割るためカク付きが目に付いてしまう。しかし高設定以下にすれば、フレームレートは一気に上がる。ちなみにVRAM消費量は最高画質設定でも1.3GB未満と非常に少なかった。

最後に「Grand Theft Auto V」でもテストしてみた。ハイパワーPC向けにかなり重い設定("高度なグラフィックス"項目)まで用意されているが、デフォルトの画質設定のほかに、"グラフィックス"内の項目をほぼ最大(アンチエイリアス系4X、TXAAなし、影はPCSS)にした設定を"最高"として試してみた。デフォルトでのVRAM消費量は1.4GB強だが、最高にすると2.8GBまで跳ね上がる。

テストは、市街地の一定のコースを移動したときのフレームレートを「Fraps」で計測した。解像度は1920×1080だ。

「Grand Theft Auto V」のフレームレート。最高だとさすがにつらいが、デフォルト画質なら軽快だ

ここまででわかった通り、GTX 960Mは「話題の最新ゲームを最高画質で遊ぶ」的な楽しみ方には少々パワー不足の面もあるが、1~2ランク落とせば高画質を維持したまま快適に遊べるパワーを秘めている。本機は「13.3インチクラスの小型ノートでも快適なフルHDゲーミング環境が欲しい」という人のための製品なのだ。