圧倒的なパワーと快適なペン入力を両立した、VAIO株式会社のハイエンドWindowsタブレット「VAIO Z Canvas」が、5月29日に発売された。2014年の秋に「VAIO Prototype Tablet PC」として参考展示されてから半年以上が経過した現在、新生「VAIO Z Canvas」はどのようなマシンに仕上がっているのか? 今回は実機を使って、各部の使い勝手や実際の性能を紹介しよう。

VAIO Z Canvas

■試用機の主な仕様 [製品名] VAIO Z Canvas VJZ12A1(VAIO OWNER MADE) [CPU] Intel Core i7-4770HQ(2.20GHz) [メモリ] 16GB [ストレージ] 512GB PCIe SSD [光学ドライブ] なし [グラフィックス] Intel Iris Pro Graphics 5200(CPU内蔵) [ディスプレイ] 12.3型ワイド(2,560×1,704ドット) [OS] Windows 8.1 Pro Update 64bit [本体サイズ/重量]W301×D213×H13.6mm/約1.21kg [直販価格] 税別319,800円(VAIO OWNER MADEの最小構成は249,800円~)

高性能パーツがギッシリ詰まったコンパクトなボディ

「VAIO Z Canvas」の大きな特徴は、タブレットサイズの小型ボディに超高性能なパーツが詰め込まれている点だ。CPUはクアッドコアのIntel Core i7-4770HQ(2.20GHz) でメモリ容量は最大16GB、ストレージには最大1TBのSSDを搭載できる。液晶ディスプレイはAdobe RGBカバー率95%の広色域と、ペン入力用のデジタイザーに対応。

例えるなら、大型ハイエンドノートPCの中身が、1枚板のようなボディに収まっているようなものだ。そう考えると、「VAIO Z Canvas」がいかに驚異的なマシンであるかおわかりいただけるに違いない。

クアッドコアCPUや超高速なSSD、高精細なデジタイザー内蔵液晶ディスプレイなどが、この小さなボディに収められている

削り出しのアルミ合金を使うことで高い剛性と軽量化を実現したボディ

本体サイズは、幅301×奥行き213×高さ13.6mmだ。フットプリント(接地面積)としては、ほぼA4サイズ(幅297×奥行き210mm)と考えていいだろう。タブレットとしては少々厚みがあるものの、標準的なタブレットをはるかに凌駕する高い性能を持っていることを考えれば納得できる。

フットプリントは幅301×奥行き213mmと、ほぼA4サイズ。12.3型液晶ディスプレイのアスペクト比は3:2で、こちらもA4サイズの比率に近い

高さは13.6mmとそれなりの厚みはあるが、フットプリントが大きめなこともあって、それほど厚くは感じなかった

ボディには削り出しのアルミ合金が使われている。手触りはかなりよく、なかなかの質感だ。比較的スリムでありながらも剛性は高く、外出先への持ち歩きでも安心して利用できる。

変幻自在ながらしっかり支える「フリースタイルスタンド」

背面の「フリースタイルスタンド」

VAIO Z Canvasのデザインで特徴的なのは、本体背面に「フリースタイルスタンド」が用意されている点だ。このスタンドを開いたり閉じたりすることで、液晶ディスプレイの角度を無段階で調整できる。

と、そこまではほかのスタンド付きタブレットと変わらないのだが、VAIO Z Canvasのフリースタイルスタンドは操作感がまるで違う。スタンド自体は軽い力で角度を変えられるのだが、ペンで入力しているときは力をしっかり支え、ブレることがまったくないのだ。好みの角度で違和感なく描けるため、使い勝手がとてもいい。

液晶ディスプレイの上部を軽く押したり引き寄せたりすることで、本体の角度を無段階に調整できる

ペン入力の筆圧が高くてもスタンドがしっかり支えているため、画面がまったくグラつかない