自分がほしいと思う、ワクワクするものを作りたい

1月にもお披露目していたスケルトン洗濯機は「Clear」の製品名で、よりブラッシュアップして登場

次に、3つめの事業戦略として掲げる「家電の嗜好品化」について。前回の発表会でも具体例として、洗濯槽が透明なスケルトン洗濯機や、冷蔵庫の着せ替えカバーを紹介していた。

伊藤氏いわく「家電を所有するワクワク感」を提供する意図で展開していく製品として、今回新たに「R2-D2型冷蔵庫」(仮称)を初披露。いわずと知れた映画「スター・ウォーズ」シリーズの人気キャラクター「R2-D2」を模した冷蔵庫だ。R2-D2の胴体部分に冷蔵庫を備え、ペットボトルなどの飲料を保冷できる。さらに、呼ぶと冷蔵庫が移動して近づいてくれる(実際にはリモコンでの操作)など、音声や動きなども細部にわたって忠実に再現したという。発売時期や価格は未定ではあるものの、実際に発売する予定だ。

R2-D2そっくりに作られたドリンク用冷蔵庫

すでに発売している「COTON(コトン)」には、期間限定カラー13色のほか、ディズニーキャラクターをデザインした4モデル、スター・ウォーズのキャラクターをデザインした5モデル、MARVELコミックキャラクターをデザインした2モデルを追加した。

冷蔵庫用の着せ替えカバーは、「Colo-mo(コローモ)」という名称で予約販売を開始することが発表された。第1弾として、ディズニーキャラクター、スター・ウォーズ、MARVELコミックキャラクターのシリーズを展開する。

【写真左】2月に発売されたハンディ洗濯機「COTON(コトン)」は、豊富なカラバリに加えて、迷彩柄やキャラクターがデザインされたバージョンも新たにラインナップ。【写真中・右】ディズニーのほか、スター・ウォーズとMARVELコミックキャラクターのシリーズが追加された冷蔵庫用着せ替えカバー。「Colo-mo」の商品名で展開する

今までにないものを作り出す

前回に続き、伊藤氏が繰り返し強調していたのは「革命」のキーワードだ。2015年、三洋電機時代の赤字から計算して、15年ぶりに黒字転換したハイアールアジアだが、伊藤氏はこれまでを振り返りながら、「ハイアールが、他の国内メーカーと同じように赤字を計上していたのは、『これまでどおりの家電を作ってきたから』という一言に尽きる」と語る。

意欲的な製品群を紹介しながら、今後の決意を語る伊藤氏

さらに、「昭和30年代に、"三種の神器"と呼ばれる冷蔵庫・洗濯機・掃除機が登場したが、当時の消費者のライフスタイルを大きく変えたからこそ売れたといっていい。つまり、人々の生活に新しい価値を提案してきたのが"家電"。しかし、いまやその役割を終えている」と分析する。

そこで、ハイアールアジアが目指すものとして伊藤氏が表明したのが、"家電"ではなく、価値を伝える"価電"であり、可能性を伝える"可電"だ。「これまで白物家電に求められていた価値を、次のレベルで昇華していきたい。日本からアジア、アジアから世界に向けて発信していき、日本を"覚醒"していく」と、最後に熱い意気込みが語られた。