今後の課題
現在の道路交通法では、まだ無人の乗用車を公道に走らせることができない。国際的にも、ジュネーブ条約で禁止されている。ロボットタクシーを実現させるためには、これらの法が改正されることが絶対条件となる。しかし、法が改正されるまで待っていたらグローバル企業に出し抜かれる、というのが中島氏と谷口氏の共通認識だ。このためリスクをとって、先行して開発を進めている。
ロボットタクシーが事故を起こした場合の対応など、これから詰めていかなければいけない課題も多い。また、利用者の懸念をどう克服していくかも、大きな問題。谷口氏は「乗車する一般の利用者が“怖い”と思ったり、受け入れがたい状況になってしまうと、どんなに優れた技術でも社会に浸透しない。ロボットタクシーは安全で楽しく、便利なものだと、ご理解いただけるように、努力をしていかなくてはならない」と説明した。
法の問題を抜きにすれば、技術的には数年もかからないうちに無人タクシーを実現できる見込みだという。中島氏は「2020年には、充分に間に合うと思っている。東京オリンピックの頃に、東京に無人のタクシーを走らせたい。外国の方に東京はすごい、と言われるような状況にしたい」と夢を語った。