Core Mを搭載した本機の実力をチェック
本機に搭載されているCore Mシリーズは、TDPが低く抑えられており消費電力が少ないのが特長。その分、パフォーマンス面に不安を抱く人が多いのも事実だ。
そこで、いくつかのベンチマークを実行して本機のパフォーマンスを測ってみることにした。まず、Windows 8.1のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、次のような結果になった。
WinSAT.exeの結果 | |
プロセッサ | 7.1 |
---|---|
メモリ | 5.9 |
グラフィックス | 5.8 |
ゲーム用グラフィックス | 5.1 |
ディスク | 8 |
結果を見ると、思った以上に高い数値が出ている。ゲーム用グラフィックスこそ5.1と低めだが、プロセッサなどはモバイル向けのUシリーズのCore i5に迫るスコアが出ている。普段使いには問題ないパフォーマンスは確保しているようだ。 続いてPCMARK 8 HOME ACCELERATED では、下図のようにスコアが2628となった。
次に、3DMARKも試してみたところ、高性能PC向けの「FIRE STRIKE」が459、ミドルレンジPC向けの「SKY DIVER」が1667、普及帯PC向けの「CLOUD GATE」が3447、モバイルデバイス向けの「ICE STORM」が33867となった。これを見ても、本機がUシリーズのCore i5に近い性能であることがわかる。
また、「CrystalDiskMark」でストレージ性能を計測してみたところ、下図のようになった。書き込みはそれほど速くないが、読み込みはSSDならではの速さ。実際、使っていてもOSの立ち上がりやアプリの起動がキビキビしており、快適だった。
このほか、ゲーム系のベンチマークも試してみた。まず、ドラゴンクエストX ベンチマークソフトでは、解像度を1280×720ドットにして、グラフィックス設定を変更してテストした。結果は以下の通り。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト スコア | ||
グラフィックス設定 | スコア | 評価 |
---|---|---|
低品質 | 4819 | 普通 |
標準品質 | 3898 | 普通 |
最高品質 | 2900 | やや重い |
次に、FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編も試してみた。こちらは解像度とグラフィックス設定の両方を変更して、テストを実行した。
FF14 ベンチマークソフト スコア | |||
解像度 | グラフィックス設定 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
1280×720 | 標準品質(ノートPC) | 2635 | やや快適 |
1280×720 | 高品質(ノートPC) | 1641 | 設定変更を推奨 |
1280×720 | 最高品質 | 1242 | 設定変更を推奨 |
1920×1080 | 標準品質(ノートPC) | 1348 | 設定変更を推奨 |
1920×1080 | 高品質(ノートPC) | 864 | 動作が困難 |
1920×1080 | 最高品質 | 654 | 動作が困難 |
結果を見ると、やはりマシンスペックが要求されるゲームは厳しい印象。ただ、解像度や品質を欲張らなければそこそこ遊べるくらいのパフォーマンスはあり、本機の用途を考えれば十分過ぎると言えるだろう。実際、メールやWeb閲覧、プリインストールアプリを使用していてパフォーマンス不足が気になることはなかった。
YouTubeでフルHDの動画を見たり、Flashを多用したWebサイトなどを見てみたりもしたが、動きがカクカクすることもなく、快適に楽しめた。写真編集などでも、ハイエンドのCPUを搭載したマシンに比べれば確かに処理が遅く、RAW現像のバッチ処理などは待たされる感があるが、出先でちょっとレタッチするくらいならほとんど気にならないレベルだ。
省電力と高パフォーマンスを両立
Core Mプロセッサを採用したことで、本機は省電力性が向上している。公称のバッテリー駆動時間はタブレット本体のみの場合に約16.3時間、キーボードドック使用時に約19.1時間となっている(いずれもJEITA1.0での値、JEITA2.0では、それぞれ約10.6時間と約13.9時間となっている)。
実際にはどれだけ持つのだろうか? そこで、バッテリーベンチマークソフト「BBench」を使って駆動時間を計測してみることにした。なお、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定し、満充電状態から電源が強制的に落ちるまでの時間を計っている。
その結果、電源プランをバランス、画面の明るさを25%程度にした場合、タブレット本体のみで11時間11分の駆動が可能だった。また、キーボードドックを装着した状態では13時間20分駆動できた。タブレット本体だけでもかなり持つ印象だ。これだけ持てば、ふだんはACアダプタを一緒に持ち歩かなくても残量が気になることは少ないだろう。
BBench結果 | |||
公称駆動時間(JEITA1.0) | 公称駆動時間(JEITA2.0) | テスト結果 | |
---|---|---|---|
タブレット本体のみ | 約16.3時間 | 約10.6時間 | 11時間11分 |
キーボードドック接続時 | 約19.1時間 | 約13.9時間 | 13時間20分 |