バルミューダは5月27日、「究極のトースター」と銘打った「BALMUDA The Toaster」を発表した。同日、都内で開催された製品発表会には、バルミューダ 代表取締役社長の寺尾玄氏が登壇し、開発秘話などを語った。

お披露目されたBALMUDA The Toaster

BALMUDA The Toasterで焼いたトースト

バルミューダというと、扇風機やサーキュレーター、暖房器具、加湿器、空気清浄機など空調関係の家電メーカーであるイメージが強いが、今回のBALMUDA The Toasterで調理家電の分野に進出する。合言葉は「Hello Kitchen!」だ。

トースターにスチーム機能を追加

BALMUDA The Toasterについて説明する寺尾氏。BALMUDA The Toasterでは、細かく上下ヒーターを制御して温度を管理する

BALMUDA The Toasterは、スチームテクノロジーを搭載したトースター。天面に注水口が設けられており、小さじ1杯(5ml)の水を注いでからトーストを開始する。すると、注がれた水はスチームとなり、庫内に充満。庫内は湿度が高い状態となり、その中のパン表面には薄い水の膜ができる。パン表面を水の膜で覆ってから、上下ヒーターによって加熱をスタート。気体よりも水分のほうが早く加熱されるため、パン表面はすばやくさっくり硬くなり、内部に水分を閉じ込められる。

加熱時は上下ヒーターをそれぞれ細かく制御し、徹底した温度管理を行う。大きく分けて、デンプンのアルファ化を促す60℃前後、パンがきつね色に色づく160℃前後、焦げ付きが始まる220℃前後の3つの温度帯になるよう設計されており、バルミューダいわく「最高の状態のトーストを実現」する。モードは「トースト」「チーズトースト」「フランスパン」「クロワッサン」を用意。それぞれ、種類に応じて最適な温度で焼き上げる。もちろん、手動で温度とタイマーを設定できる「クラシック」モードも装備。トースト以外に、グラタンやピザなども調理可能だ。

天面から水を注ぐ。注水口にはドアの開閉と連動するフタが備えられている

BALMUDA The Toasterの断面イメージ

パンの種類に応じて4モードを装備。手動で設定できるクラシックモードも

最後の1分を過ぎると、一気に温度が上がって焼き色が付いていく

きっかけは「土砂降りのバーベキュー」

発表会に登壇したバルミューダ 代表取締役社長の寺尾玄氏は、まずBALMUDA The Toasterが開発されるに至った経緯を紹介した。寺尾氏によれば、誕生のきっかけは社内行事のバーベキュー。土砂降りの雨にもかかわらずバーベキューは決行され、そこでたまたま食パンを炭火で焼いてみたら、おいしいトーストができあがったとのことだ。

「どうにかしてこれを再現できないか?」と考えた、寺尾氏含むバルミューダ社員は、バーベキュー翌日から実験の毎日。その過程で、「湿気」が大事な要素なのではないかという結論に達し、どうやってスチームを出すのか、どのくらいスチームを出すのか、などの研究を重ねていった。寺尾氏によれば、製品化するまでに焼いたトーストは5,000枚超。その実験の結果、誕生したのがBALMUDA The Toasterなのだ。

土砂降りのバーベキューを決行。食パンを焼いてみたらおいしいトーストができあがった!

バーベキュー翌日からは終わりなき実験の日々が続いたそうだ

続いて寺尾氏は、BALMUDA The Toasterとバルミューダが手がける調理家電の今後の展開について語った。次ページではその内容と、BALMUDA The Toasterのデモの様子を紹介する。