パフォーマンスを検証する

さて、ここからはパフォーマンスについて触れたいが、その前に基本的なスペックを紹介したい。プロセッサにはBay Trail世代のIntel Atom Z3735F、メモリはDDR3L-1333 2GB、ストレージは64GB eMMC、OSはWindows 8.1 with Bing 32bitを搭載する。

デジタルガジェットに詳しい人はすでにお気づきかと思うが、EeeBook X205TAのスペックは、エントリー向けのWindowsタブレットでよくある構成だ。低消費電力のSoCや、NANDフラッシュメモリを利用したストレージは、いまでは幅広いデバイスに使われるようになっている。

モバイル向け製品についていえば、単純なスペックだけ見れば、タブレットとノートPCの垣根はなくなりつつある。EeeBook X205TAはクラムシェル型のノートPCだが、スペックや価格から考えると、ほかのノートPCというよりもタブレットと並べて比較検討される製品かもしれない。

タブレットと同様にコンテンツ試聴を中心としたユーセージでは、動作にそれほど気になるところはない。Webブラウジングも快適だし、YouTubeで高画質動画を見ても、引っかかりはない。ただ、やはり2GBメモリということもあり、写真や重めのOffice系ファイルの編集、あるいはブラウザでもタブをたくさん開くと、目に見えて動作が重くなる。軽めの作業中心で使うのがいいだろう。

さて、ここからはベンチマークテストの結果をいくつか紹介したい。まずは総合テストとして、Windowsシステム評価ツール「winsat」を実行し、スコアをGUI表示してくれるツール「WIN SCORE SHARE」を利用して計測を行った。

WIN SCORE SHARE

やはり、基本的なパフォーマンスはタブレットとそれほど変わらない。ストレージのスコアが伸びているが、SSDほどではないにしろ、eMMCもそこそこ高速にデータの読み書きができる。実際の使用感が軽快なのも、ストレージのパフォーマンスによるところが大きいように感じる。

続いてはFuturemarkの「PCMark8」のHome Accelaratedを実行した。写真加工やビデオチャットあたりで少々もたついた印象だが、Webブラウジングなどは問題なさそうだ。

「PCMark8」の結果

ゲーム系のテストとして、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」も実施した。最低画質でも「やや重い」という結果となった。

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.10
設定 スコア 評価
640×480(低品質) 2396 やや重い
1280×720(低品質) 1468 重い

最後にバッテリ駆動時間についてもテストを行った。電源プランは「バランス」で、「PCMark8」のHome Accelaratedを実行した。EeeBook X205TAのバッテリ駆動時間は公称で最大11.3時間だが、テストの結果は7時間57分22秒の駆動が可能との評価がでた。通常の使い方であれば、1日中外出していても問題ないだろう。

コストパフォーマンスの高さが光る製品

さて、ここまでASUS EeeBook X205TAのレビューをお届けしてきたが、実売3万円台半ばで購入できるPCとは思えないくらいの完成度の製品だ。パフォーマンスは一般的なクラムシェルノートPCとまではいかないが、あれもこれもではなく、使いどころをちゃんと選べば、それほど大きな不満はないだろう。

セカンドマシンとして、手ごろなPCがほしいと考えたとき、普段からテキストの入力をはじめとした作業が多いのであれば、EeeBook X205TAはまず選択肢に入れていいモデルだ。重量は約980gだが、タブレットとBluetoothキーボードを一緒に持つといいよそ同じぐらいの重量になる。自分自身の使い方を考えながら選択したい。

製品名 ASUS EeeBook X205TA
CPU Intel Atom Z3735F (1.33GHz)
メモリ DDR3L-1333 2GB
グラフィックス Intel HD Graphics(CPU内蔵)
ストレージ 64GB eMMC
光学ドライブ なし
ディスプレイ 11.6型ワイド液晶(1,366×768ドット)
ネットワーク Bluetooth 4.0、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN
インタフェース USB 2.0×2、microHDMI、マイク・ヘッドフォンコンボなど
メモリースロット microSDメモリーカードスロット
サイズ/重量 W286×D193×H17.5mm/約980kg
OS Windows 8.1 with bing 32bit