AQUOS Kとはどこが違う?

シャープといえば、先にauから「ガラホ」ことAQUOS Kを販売していたメーカーだ。ハードウェアスペックを見ると、カメラ機能などはSH-06Gのほうが劣るが、それ以外の点については(無線部を除いて)共通している項目が多い。推測だが、Android部分としては、AQUOS KもSH-06Gも、ほぼ同じものを使っているのではないだろうか。

しかし、製品としてのコンセプトの違いが、両者の印象を大きく変えている。F-05Gのレビューでも指摘したが、AQUOS Kはスマートフォンとフィーチャーフォンの融合であるのに対し、SH-06GはあくまでフィーチャーフォンをAndroidという土台で作ったという位置付けだ。

ターゲットとなるユーザーも、AQUOS Kはスマートフォンよりのユーザーであるのに対し、Androidドコモケータイでは通話がメインのないユーザーだ。そのため、AQUOS KではLTEやWi-Fiといった技術を積極的に採用しているのに対し、SH-06Gでは通信には3Gのみ、おサイフケータイなどの機能もオミットする、という思い切った仕様になっている。SH-06Gの仕様が物足りなく見える人は、そもそもドコモが想定するターゲットユーザーではないわけだ。

このこと自体は理解できるし、SH-06Gはその目的に十分合致した端末になっていると思う。とはいえ、たとえばLTEやVoLTEといったインフラ部分は、ユーザーが意識して利用する必要のない部分だ。通信部がLTEに対応すればLINEやウェブブラウズも快適になるし、VoLTEも、ユーザーにとっては音声品質の向上を、キャリアにとっては電波利用効率の向上というメリットがあるはず。コスト的に見合わないのかもしれないが、あえて戦略的に取り入れていくことも視野に入れてよかったのではないだろうか。

SH-06GとF-05Gの登場により、これまでフィーチャーフォンを使ってきたユーザーにとって、今後もドコモがフィーチャーフォンを出し続けていくというサインは送れたと思う。これをドコモが想定するユーザー層がどのように受け止めていくのか、注目したい。