多分、未来はMacBook

MacBookに触れてみて、必ずしも「思い切り新鮮だった」という印象は受けませんでした。しかし、非常に軽く、小さく、そのため画面の美しさが際立つ「キレイな製品」であるのには違いありません。これは、一般に懸念材料とされているUSB-Cポートや薄型化されたキーボードについて、筆者は特に問題にならなかったことから、単体で使っている上では大きなネガティブなポイントがなかったということが理由でしょう。

おそらく、あのキーボードがどうしても嫌だという人もいるでしょうし、これらは筆者も困ったポイントでしたが、ThunderBolt2やSDXCカードスロットがないことで不便をする人もいるでしょう。

しかし一方で、極限までシンプルに削り取られた、ディスプレイとキーボードが備わるだけのMacBookは、ノート型コンピュータの未来、あるいは最終的な形、理想の原点、といったところでしょうか。これ以上どうしようもないところまで来てしまったような印象を受けます。

ノートパソコンとして単体で利用する上では、これで問題がないのです。

MacBookは、Appleのノートブック型ラインアップにおける「当面の基本形」として、再定義されたマシンと考えることができます。薄型キーボード、フォースタッチのトラックパッド、Retinaディスプレイ、9時間以上のバッテリーライフ、USB-Cポートなどを基本性能に、その他のモデルはこれに何らかの機能や性能を追加しながら、モデルのラインアップが刷新されていくでしょう。

MacBookは、Appleのノートブック型ラインアップにおける「当面の基本形」として、再定義されたマシンと考える事ができる。キーボード、トラックパッド、Retinaディスプレイ、USB-Cポートなどを基本性能に、モデルのラインアップが刷新されていくだろう

例えば、少し大きな13インチのMacBookが出てきたらどうか。ちょっと強度に不安を覚えますが15インチのMacBookが出てきたらどうか。面白そうですが、どちらもその必要性がない、と考えています。

完全なる過渡期

とはいえ、MacBookの購入しにくい理由は、ベンチマークでは2011年モデルのMacBook Airと大差ないという結果からでした。実際にまっさらなシステムとして使い始めると、レインボーカーソルを見ることなく快適に利用できます。

ただ、個人的な性格として、今使っているものより性能の低いマシンを買おうという気に、どうしてもなれなかったというのが実際のところです。やはり最新のCore i5ファミリーを搭載したMacBook Air以上を選択したかったわけです。

MacBook Air 11インチとMacBookの比較。横幅は狭くなり、奥行きはやや伸びているが、基本的には同じようなサイズの2台、といえる

一方で、これまでも連載で述べてきた通り、一度MacでRetinaディスプレイを使ってしまうと、後戻りできない「感覚」が身についてしまいます。これまでノート型のRetinaディスプレイはMacBook Proの特徴でもありましたが、MacBookでも採用され、採用モデルは拡大することが考えられます。

今現在、MacBook Pro以下のラインアップでは、MacBook Proと同じCore i5ファミリーを搭載する「MacBook Air」と、MacBook Proで採用されているRetinaディスプレイを搭載する「MacBook」、という選択をしなければならず、性能面からすれば13インチのMacBook Proを選ぶしかない、というチョイスになります。

完全に過渡期。2015年はMacBookシリーズのラインアップが整理される1年と言えるでしょう。