Xperia Z4はZ3と大きく違う

これに対して、Xperia Z4は、さまざまな報道を見るに、単に外側だけを入れ替えた製品ではなく、内部的な改良がきちんと行われている。CPUは、64bitとなっていて、メモリも3ギガバイト搭載されている。OSも最新のLollipop(Android 5.0)となっている。内部的には、Z3とは大きく違っている。

Xperia Z4。64bit CPUに3ギガバイトのメモリ、そしてLollipopと新しいところはきちんと押さえたXperia Z4。「メシマズ」と言われたXperiaのカメラでも食事の写真が綺麗に撮れる「お料理モード」まで搭載。だけど、期待の大きすぎた人たちは「ガッカリ」だという

Lollipopに関していうと、まだ、落ち着いた状態ではない。実際Googleが販売するNexusシリーズ向けのLollipopでは、いくつも不具合が見つかっており、短時間でバージョンアップを繰り返すという状況だ。ソフトウェア開発的な負荷が高く、新機能などを追加することを見合わせたのかもしれない。

ソニーを擁護するわけではないが、システムの大きな変更があった場合に、新機能を多数盛り込むことは「危ない橋」を渡るようなものだ。しかも、アンドロイド自体の開発はグーグルが行っており、ソニー1社が努力してもその質を上げるのには限界がある。特にLollipopでは、GUIのデザイン的な変更や64bit対応といった大きな変更がある。多くの通信事業者の課するカスタマイズや検証条件をすべて満たしつつ、一定以上のクオリティの製品を出すのには、かなりの労力が必要だ。

それゆえ、Lollipopがターゲットとなる今年から来年にかけては、独自の機能を盛り込みにくい時期ともいえる。もちろん、Lollipopは採用せず、KitKatで行く、アップデートもしないという判断もあるだろう。だが、もしZ4がKitKatだとしたら、新機能が搭載されていたとしても「がっかり感」はもっと大きかっただろう。

差別化の余地が少ない理由

ハイエンドのスマートフォンのOSは最新のアンドロイド、プロセッサはQualcommといった方向性が強くなればなるほど、差別化点を入れる部分は狭まってくる。カメラやディスプレイ、筐体デザインなどだけになり、主要な部分は、ほぼ同じスペック、バッテリも設置スペースが決まれば選択肢は限られる。

かつて、パソコンでは、「何を買っても同じ」とよく言われていた。インテルのCPUとチップセット、そしてマイクロソフトのWindowsの組み合わせだからだ。外側は違っていても、スペックが同じなら、性能やできることは同じだった。ある意味、スマートフォンも同じような状況になりつつある。