米マイクロソフトは29日(米国時間)、サンフランシスコにおいて開発者向け会議「build 2015」を開催した。基調講演では今夏発売予定のWindows 10などに関する最新の情報が公開され、さまざまなデモも行われた。ここでは特にモバイル機器に関連する情報に絞って紹介しよう。

Windows 10ではすべてのWindowsプラットフォームでアプリが動作する

現在、Windowsはインテル製CPUを採用するデスクトップPCやノートPC、大型タブレットと、ARM系CPUを採用するWindows Phoneや小型タブレットの双方に提供されている。本来、CPUが違えば動作するアプリも別々に開発する必要があるのだが、Windowsストアを経由して入手したアプリについては、同じアプリが両方で動作する「ユニバーサルアプリ」になっている。

ただし、Windows 8のユニバーサルアプリ(ストアアプリ)は、ユーザーから見ると1つのアプリだが、内部的にはインテル用とARM用の2種類を作り、それぞれに適合するものを動かしていた。これが、Windows 10では1つのアプリを開発すれば、すべてのWindowsプラットフォーム(Windows Phoneを含む)で動作するようになった。

アプリの呼称については「Windowsアプリ」だったり「ユニバーサルアプリ」だったりと、マイクロソフト自身もいまいち一致していないようなので、ここでは「ユニバーサルアプリ」と呼ぶことにする

Windowsストアでアプリを購入すればすべての機器で動作するので、開発者にとってはより多くの機器をサポートでき、ユーザーにとっては複数の機器用にアプリを別途入手する必要がなくなるわけで、効率的だ。従来型の、たとえばインテルCPU専用アプリも開発はできるが、セキュリティや海賊版といった問題を解決しやすいこともあってか、マイクロソフトとしてはストア経由の販売を推進している。iOSなどの成功をよく研究していると言っていいだろう。