毎年、現地での取材レポートをお届けしている時計と宝飾の祭典「BASELWORLD」。今年のわれわれには、BASELWORLDとは別に課せられた極秘任務が実はあったのだ。それは、世界各地で時計の時刻合わせをしながらの世界一周。しかも、各地でのメイン企画はノープラン。この世知辛いご時世に、そんな壮大かつテキトーな企画が果たして成立するのか!?

GPS&スマホ連携の時計を持って世界一周! オジサン二人珍道中!

■第1回【出発編】:「現地で」「何か面白いこと」「ついでに」
■第2回【ヘルシンキ編】: トイレに驚愕! & ムーミン公式ショップを探せ
■第3回【ドイツ・スイス編】: BASELWORLD美女カタログ! スーパーカーもあるよ
■第4回【ロンドン編】: 恋の街ロンドンで出会った見知らぬ彼女、本当にありがとう!
■第5回【ニューヨーク編】: 救いの女神、ステーキ、ゴーストバスターズ
■最終回【サンフランシスコ編】: そして帰還……

先にネタバレすると、今回の世界一周コースマップ。この距離をBASELWORLDの取材(3.5日間)を含む10日間で制覇するのだ(マジか)!

前代未聞! 10日間世界一周(うち3.5日間はBASELWORLD取材)!!

「今年のバーゼル取材の帰り、他の国を回って帰ってくるってのもいいなと思っているんですよ」

今思えば、そんなことをマイナビニュース編集部でつい、ぽろっと言ってしまったのが間違いだったのだ。担当編集者のH氏はそれを耳ざとく聞きつけて言った。

H氏「いいですね、それ。どうせなら仕事にしましょうよ。世界のファストフード食べ比べとか、記事にしましょうよ!」

ははは、そうですね。仕事になってくれたら色々助かるなぁ、と口では言いながら、内心では(やだよ。仕事じゃなくて休暇で行きたいんだよ!)と思っていた。また、いくらマイナビニュースとはいえ、そんな「~と思ってる」レベルの思い付き話が、そうそう仕事になるわけがない。

…が、甘かった。

編集H氏はこの話をみるみる現実にしてしまったのだ。しかも、企画はいつの間にか「世界一周」という仰々しいものとなった。なにゆえ世界一周!?

H氏「世界各地のタイムゾーンで、時計の時刻を実際に合わせてみようというサブ企画を付けました。これでビジネスになりますよ」(ドヤ顔)

「カシオから借りてる時計が2本、手元にあるんですよ」(H氏)と、GPSハイブリッド電波ソーラー時計「OCEANUS OCW-G1000」と、スマホ連携できる「EDIFICE EQB-510」まで持ち出してきた。

OCEANUS OCW-G1000

EDIFICE EQB-510

やれやれ、デキる男もこんなときは困りものだ。しかし、それを後で記事にするんですよね。各地で時計の時刻を合わせるだけでは、記事にならないでしょう?

H氏「えぇ、これはあくまでもサブ企画。メインとしては、私と青木さんで"現地で何か面白いこと"をしてこい、というのが編集部の意向です。時刻合わせは、そのついでということで(これはこれで自分もけっこう辛いんですよ)」

「現地で」「何か面白いこと」「ついでに」。これほど無責任な響きを持つ言葉を私は他に知らない。

しかし実は、こと無責任さでは一歩もひけをとらない私だ。それからの数日も日々の仕事に追われ「世界一周の件、どうすりゃいいの」という不安を抱えながらも見ぬふりをしたまま、あっという間に出発当日を迎えてしまった。