記者の隣にいた若い女性は「家族で使えるよう、自宅の住所と、家族の"苗字"を入力しようと思います」と話していた。名前の欄だけ空スペースにしておき、後から各自が手書きできるようにする予定だという。ここで、講師からは「スタンプの箱に、仕上がりの実寸が記載されています。文字が小さくなりすぎないように気をつけてください」と注意があった。

仕上がりのサイズは、スタンプの箱に記載されている(写真左)。住所印として使えるよう、住所と名前を入力する人が多かった(写真右)

テキストのフォントも豊富に用意されている(写真左)。文字間隔も変更可能。記者も漢字にするか、ローマ字にするか、迷った(写真右)

PCでは、インクイメージ(色を乗せた後の仕上がりのイメージ)をシミュレーションすることも可能だ。スタンプに利用できるインクの種類は10種類。原色のほかに淡い色のアッシュブルー、アッシュピンクなども用意されている。周りの人やスタッフと相談しながら、どんな色にしようか検討を重ねる参加者たち。このように迷い、悩みながら作業を進めていく過程も、pomrieの醍醐味のひとつと言えそうだ。PCを使った操作はここまで。次は、いよいよ製版となる。

PCでは、色を乗せたイメージをシミュレーション可能(写真左)。PC上で行うすべての作業を終えたら、いよいよ製版だ(写真右)

pomrieの背後にある挿入口にスタンプシートを入れると、あっという間に製版が終了する。できたシートを台座に貼り、印刷面にインクを乗せていく。ひとつのスタンプに複数のインクを使うことも可能だ。余分なインクを拭き取り、試し押しを何度かすれば、スタンプが完成する。

pomrieの背後にある挿入口にスタンプシートを入れると、あっという間に製版が終了。インクを乗せて試し押しを何度かすれば、スタンプが完成する

記者の隣にいた若い女性も、立派な住所印を完成させていた。これを手紙の差出人の欄に押せば、手間が省ける上におしゃれである。そしてスタンプならではの温かみも感じられる。ワークショップに参加した感想を聞くと、満足そうな表情を浮かべつつ「ひとつ作ると、もう少しこうすれば良かった、などの欲が出てきますね」と話してくれた。また向かいに座っていた別の参加者は「インク、買って帰らなくちゃ」と笑顔になった。ちなみに当日のブースではpomrie本体のほか、インクやスタンプ台などの消耗品も販売していた。このため、ワークショップの体験後に商品を購入していく人も多いとのことだった。

ブースでは、pomrieの実機やインク、スタンプ台などを販売している

pomrieには海外のファンも

ブースの担当者によると、カシオ計算機がホビーショーにpomrieを出展するのは、今回が2回目。昨年は正方形のスタンプを使っていたが、「住所印が作りたい」というリクエストが多かったため、今年は30mm×60mmの横長のスタンプにしたのだという。ブースを訪れる人は30~40代の女性が中心だが、たまに男性の姿もあるとのこと。面白かったのは、ホビーショーを目当てに毎年来日している、海外のお客さんがいるという話。昨年に引き続き、今年もpomrieのブースでスタンプを作り、満足して帰ったそうだ。

pomrieのワークショップは有料(500円)で、1日5回開催、各回の定員は10人まで。参加予約は、当日のブースでのみ受け付けている。しかし、受付開始から1時間もたたずにすべての回が満席になることもあるというから、注意が必要だ。なおカシオ計算機では、今回のワークショップに参加できなかった方に向けて、5月20日、21日に東京都・千代田区のカシオマーケティングアドバンスにて、今回と同じ内容のワークショップを開催する予定。こちらの受付に関しても、ホビーショーの開催期間中にpomrieのブースで行っている。参考にしてほしい。