シミュレーション機能も搭載
Phantom 3にはタブレットなどで使用する専用アプリ「DJI Pilot」が用意されるが、その基本画面でカメラの映像や機体の高度、速度、マップなど、空撮に必要な情報をリアルタイムで確認できる。また、アプリからカメラのシャッタースピードや絞り、撮影モードなどを変更することも可能だ。
さらに、Phantom 3ではフライトの履歴からトータルの飛行時間やフライトした場所などを確認することもでき、メンテナンスやフライト計画に役立てられる。このほか、実際に機体を飛ばす前にアプリ内でシミュレーションして操作技術を身につけられる「FLIGHT SIMULATOR」機能や、テンプレートを選ぶだけで撮影映像を自動的に編集してショートムービーを作成し、YouTubeなどに公開できる「FILM MAKER」機能も搭載。丸川氏によれば、映像編集からシェアまで5~10分ほどで作成できるそうだ。
なお、日本独自のサービスとしてPhantom 3を購入後1年の間は、三井住友海上保険と共同で業務用保険「DJI専用賠償責任補償制度」を提供するという。この保険は操作ミスにより通行人に怪我をさせたり、駐車している車を破損してしまった場合なども補償する内容とのこと。
本体価格は、4K撮影(4,096×2,160ドット/最大25fps、または3,840×2,160ドット/最大30fps)に対応した上位モデル「Phantom 3 Professional」が税別175,000円、フルHD映像(1,920×1,080ドット/最大60fps)での撮影ができる「Phantom 3 Advanced」が税別139,800円となっている。
プロカメラマンが使用感や活用方法を説明
発表会の後半には、実際にDJIの空撮ドローンを業務に役立てているプロをゲストに迎えたトークも行われた。モータースポーツの映像配信などに携わる「RallyStream」の染谷弘和氏は、アジアパシフィックラリー選手権のニュージーランドラリーで撮影した映像を前に独自の活用方法を説明し、「ヘリでは撮影が困難な場所でも撮影できる」など、空撮ドローンならではのメリットをあげた。
株式会社ヒートワン代表取締役で、TBSの「THE世界遺産」のカメラマンとしても知られる矢口信男氏は、数年前に取材先のアメリカで「Phantom 1」の噂を聞きつけ即購入したというエピソードを紹介。「ヘリだと高さの制限があったり、巻き起こす風が強くて動物に近づけなかったりと、さまざまな制約があるが、空撮ドローンだと低空で狭いところに入っていくことができる」とその魅力を語った。
なお発表会終了後、会場では実際にPhantom 3を飛ばすデモンストレーションも行われたが、室内であるにも関わらず安定したホバリングで、動作や転送される映像も滑らかだった。