さあ、それではいよいよ「AnyPen テクノロジー」を試してみよう。今回「ペンとして最も使いやすいのはどれなのか」選手権にエントリーしたのは、シャープペンシル、プラスドライバー、クリップ、ニンジン、ゴボウの5選手である。よく考えたら、この5つがちゃんと反応するというだけですごいことだ。

シャープペンシル。ペンなんだから一番いけるでしょ。今回の大本命

プラスドライバー。ペン先が太いのでスタイラスペンみたいな書き心地いけるかも?

クリップ。ペンの形状とはぜんぜん違うけど、細いので意外といける?

大穴のニンジン。先が丸くなっていればいいってもんじゃないと思うんだけど

ゴボウはどうか。そもそも細いというだけだ

それぞれ大きさも重さもペン先の太さも異なるが、果たして使い勝手はどうだろう。早速試していこう。「YOGA Tablet 2 with Windows」の手書き文字認識機能を使い、「マイナビ」という4文字を書いていく。きちんと認識されるかどうかで競うのだ。

まずはシャープペンシルから。芯は出さずに使う。

「マイうビ」

惜しい。というか、思ったよりもシャープペンシルは書きにくい。実は後から確認した話なのだが、「YOGA Tablet 2 with Windows」で使うペン先は直径1mm以上で丸みをもったものが必要とされている。つまり、シャープペンシルではペン先が細すぎるのだ。

それでも「マ」や「イ」などがきっちり読み取れたのはさすが。逆「う」もよく「う」までいったなという感じだ。

続いてプラスドライバーいってみよう。

「マイナビ」

なんと、すべてきれいに認識した。かすれたけど、なんとか認識に成功というわけではなく、ペンのラインから完璧に認識してくれている。先ほどの1mm以上の理屈から考えて、プラスドライバーの先が適度に太いのがよかったのだろうか。

また、プラスドライバーは持ちやすいのも好印象だ。これからはスタイラスペンがない場合、プラスドライバーを使うことを推奨したい。

次はクリップ。

「マイナビ」

これもすべてクリア! 今回用意したクリップはそこそこ大きめだったので、画面にあたる部分の太さが1mm以上あったのがよかった。丸くなっているので画面を傷める心配もないし、プラスドライバーに続いておすすめのスタイラスペンだ。

さあ、それではいよいよ裏の大本命ニンジンの登場だ。1mmどころかもっとずっと太いペン先をしているが、ただしく認識されるのか?

「マイケご」

……。「マ」と「イ」は書きやすかった。特に問題もなく認識された。が、「ナ」は上に突き出した部分が認識されず「ケ」と判断され、「ビ」は左の縦のラインが消えて「ご」になった。なるほど、誤認識はこんなふうにして生まれていくんだなと妙に納得した次第だ。

とはいえ、2文字認識できたのは立派なんじゃないだろうか。なんといってもニンジンなのだ。そもそもこいつはペンじゃないし!

勝手にペン扱いしといて手のひらを返しつつ、最後のゴボウに挑んでみよう。ニンジンのかたきをうてるだろうか。

「マイナべ」

パチもん感ただよう名称が出来上がってしまった。でも惜しいっちゃ惜しい。敗因は「ビ」が一画目と濁点の一つしか認識されなかったことだ。逆にここから「べ」を導き出したのもすごいと思う。

うーん、「マイナ」までいい感じにいっていただけに無念である。というか、「マイ」はもしかして認識しやすい文字なのか。

……そんな感じで今回、5つのモノをペン代わりに使ってみてわかったのは、「スタイラスペンは伊達にあの形をしているわけじゃない」ということだった。プラスドライバーが一番書きやすく、認識率もよかったという事実がそれを証明している。

逆にシャープペンシルの意外な書きづらさからは、細すぎてもダメだということもわかった。クリップは書きやすさこそプラスドライバーに匹敵したものの、持ちにくかった。当たり前である。ボールペン辺りがちょうどいいかもしれない。

野菜は……野菜だったね……。