ソニーモバイルは迷走気味?

今回のZ4の発表は、キャリアに先行してメーカーが端末を発表、正式な発売日や価格が明らかにされないなど、国内メーカーの製品としては異例ずくめの発表となった。

キャリアに先行しての発表という点では先日の「Galaxy S6」(サムスン製)も同様だったが、あちらが国際的には発表済みで、デザインを含めた完全新規の製品だったのに対し、Z4はワールドプレミアとはなったものの、そもそもZ3のマイナーチェンジといった趣が強い製品だ(事実、発表前には「Z3 neo」という名前になるという噂も飛び交った)。正直言って、このタイミングで不完全な発表を行う必要があったかは、いささか疑問が残る。

そもそも、ソニーモバイルの十時社長は3月のMWCで催されたプレスセッションで、「フラッグシップは年1回」という発言をしたばかりだった。それだけに、Z3の発売からわずか8カ月しか間を開けていない今回のZ4の発表は、臨席したプレスの間からも疑問の声が多かった。

5月からのSIMフリーの義務化や、各キャリアのLTE Advancedサービス(LTE カテゴリー6)開始、高性能・低価格なSIMフリー端末の台頭(奇しくもXperiaと同日、ASUSがZenFone 2を発表している)など、スマートフォンを取り巻く環境も大きく変化している。

今のうちに少しでもプレゼンスを高めるつもりだったのかどうかはわからないが、少々タイミングを計りかねている感じは否めない。ソニーモバイル自身が再建中ということもあるだろうが、全体的に迷走しているように感じられてしまう。もう少しどっしりと腰を据えてかかってもらいたい気もするのだが……。