おもいでを集約

デジタルカメラ写真を保存するフォトストレージというと、パソコンの周辺機器のように思われるかもしれないが、おもいでばこを接続するのはリビングなどにある液晶テレビだ。おもいでばこ背面にHDMI端子があるので、付属のHDMIケーブルでテレビと接続するだけ。基本的な操作は付属のリモコンで行う。

おもいでばこの本体前面にはSDカードスロットと「取り込み」ボタンが配置されている。デジタルカメラから抜いたSDカードをスロットに差し込み、取り込みボタンを押す。写真の取り込みはこれだけでOKだ。フォルダを作る、保存先を選ぶといった操作は全く必要ない。

本体正面のカードスロットにSDカードを挿して、ボタンを押すだけ。これで転送が完了

取り込んだ写真はカレンダー上に表示される。月間の写真を見ているだけでも懐かしくて、思わずうるっとくる

取り込んだ写真は、すべて写真に記録されているExif情報をもとに、カレンダーに登録。このとき、複数のデジタルカメラで撮った写真もすべて日付によって一元化される。

おもいでばこが分かりやすいのは、この日付管理機能のおかげだ。例えば、過去に取り込み済みの写真が入ったままのSDカードをおもいでばこにセットしても、日付などの情報から重複写真をチェックし、おもいでばこにまだ保存していない写真だけを取り込んでくれる。このため、パソコンで写真を管理している時のような重複保存が発生せず、HDD容量を無駄に消費することがない。

操作は分かりやすく、動作は俊敏

おもいでばこに取り込んだ写真はカレンダーにまとめられる。新おもいでばこもインタフェースは従来モデルと共通。カレンダーから見たい年月、日付を選ぶことで、サムネイル一覧や拡大写真がテレビ画面一杯に表示できる仕組みだ。

「こどもの日」の写真を絞り出したところ。数年分の懐かしい写真が一覧できる

はっきりいって、おもいでばこの写真表示は従来モデルでも十分に速かった。写真の表示で待たされることもほとんどなく、スクロールしていてイライラした記憶はほぼない。

しかし、新モデルは明らかに、より速くなった。ほんのわずかな待ち時間すらないため、機器の操作に意識が行かず、写真の世界にさらにどっぷりと浸れるようになった。

この表示の速さは、スマートフォン・タブレットから利用した時、さらに顕著になる。例えば、従来モデルにiPad miniからアクセスして、保存画像の一覧を読み込もうとすると、表示されるまでに若干の時間がかかっていた。ネットワーク経由で写真を見ている限り仕方がない、と思えるレベルなのだが、同じ操作でもほとんど遅延なくサムネイル一覧が表示される新モデルを使うと、今までこんなにも待たされていたのかと驚いた。

専用アプリを使ってスマートフォンの写真をおもいでばこへ転送。逆におもいでばこ内の写真をスマートフォンへダウンロードもできる

iPad miniからおもいでばこ内の画像を表示したところ。サムネイル表示は驚くほど速い!

おもいでばこに写真を保存しておけば、古い写真をスマートフォンやタブレットに保存しておく必要はない。これは従来モデルを使っている時も思っていたことだが、新モデルの速さを味わって、さらにその思いを強くした。スマートフォンの内蔵メモリに保存している写真を探す時と表示スピードがほとんど変わらないのだ。専用アプリを使う必要はあるものの、これならおもいでばこの最大2TBというHDD容量に、スマートフォンやタブレットのストレージと同じ感覚でアクセスできそうだ。