3月18日・19日の2日間、中国・深センでMicrosoftはWinHEC 2015を数年ぶりに開催し、Windows 10を今夏にリリースすると発表した。Windows 10が190カ国・111言語に対応すること、生体認証によるサインイン、Windows 7/8.1からのアップグレードパス、システム要件など次々と明らかにした。新たにリリースしたWindows 10 Technical Preview ビルド10041も気になるところだが、今週はWindows 10に関する最新情報を整理しよう。

Windows 10へ無料アップグレード

まず多くのユーザーが気になるのはWindows 10の無料アップグレードについてだろう。Microsoftは、2015年1月時点でWindows 10へのアップグレードを無料にすることを明言していた。Windows 10リリース後「最初の1年に限って無料」、その後は一定の料金が発生する仕組みだ。OSG(Operating Systems Group)担当EVPのTerry Myerson氏は「1回限りのアップグレード」と説明しつつ、Office 365のようなサブスクリプション型への移行を匂わせている。

Operating Systems担当EVPのTerry Myerson氏

WinHEC 2015のプレゼンテーション資料によれば、Windows 10はWindows 7/8/8.1からのアップグレードをサポート。Windows Vistaはアップグレードの対象外となり、クリーンインストールを求められる。また、Windows 7 Service Pack 1およびWindows Phone 8.1ではWindows Update経由のアップグレードもサポートする予定だ。残念ながらWindows RTは対象外となり、個人的には手元のSurface RTが見捨てられたような気分である。

Windows 10へのアップグレードパス。ちなみに「Windows 8.1 S14」は2014年4月にリリースしたWindows 8.1 Update適用環境を指す

Windows 7 Service Pack 1はWindows Update経由でWindows 10にアップグレード可能になる

Windows 10にはUEFI搭載PC設定が必要?

WinHEC 2015ではWindows 10のシステム要件についても明らかにされた。ディスプレイサイズは8インチ以上をコンシューマー向け、7インチ以上をプロ向けと定義し、最低解像度を800×600ピクセルまで軽減している。

また、ファームウェアとしてBIOSに関する記述は見つからず、UEFIのバージョンは2011年4月に制定された2.3.1と定められた。Windows 10 Technical PreviewがUEFI非対応のPCでも動作していることを踏まえると、記載漏れの可能性はぬぐえない。ただし、Windows 8リリース時のシステム要件はUEFI 2.x以上と定義されており、今回新たにOS起動時のシステム署名をチェックする「セキュアブート」を加えたことを踏まえると、UEFI 2.3.1 Errata C以降に対応するPCを用意した方が確実だ。

Windows 10のシステム要件。UEFI以外はWindows 8.xと大差はない

Windows 10がサポートするオプションコンポーネント。PCだけでなくタブレットを想定したコンポーネントも含む

(参考)Windows Mobile 10のシステム要件。ディスプレイ解像度によって必要なメモリ容量は異なる