AFはスムーズに作動し、MF時はフォーカスリングは滑らかに回転する。ズームリングについてはトルクはやや重め。ズーミングを行うと、一番前のレンズ群が光軸方向に動く。

最短の撮影距離は焦点距離によって異なり、焦点距離11mmで32cm(撮影倍率0.06倍)、焦点距離16mmで29cm(撮影倍率0.10倍)、焦点距離24mmで28cm(撮影倍率0.16倍)となる。

「EOS 6D」に装着した状態

写りは絞り開放値からシャープネスが高く、ズーム全域でくっきりとした画像が得られる。超広角ズームで生じやすい倍率色収差や歪曲収差は目立たないように軽減。光学性能のレベルは非常に高いといっていい。

希望小売価格は税別450,000円。フルサイズで11mm対応のレンズはほかにないので比べるのは難しいが、超広角ズームの中では高価なレンズである。とはいえ、業務または高級な趣味として、風景や建造物、インテリアなどを撮る人にとっては、これまでにない画角と画質が大きな魅力になるはずだ。人とは違った写真を目指す人にもお勧めできる。

11mmという極端な焦点距離を活かせる被写体は簡単には見つからない。とはいえ、単焦点レンズではなくズームレンズなので、少しズームアップすれば既存の一般的な超広角ズームと同じ感覚で扱える。マニュアル(F8 1/400秒) ISO100 WB:太陽光 焦点距離:15mm

窓から強い光が差し込むシーンだったが、コントラスト低下は最小限に抑えられ、ゴーストやフレアもほとんど気にならない。マニュアル(F4 1/25秒) ISO1250 WB:太陽光 焦点距離:11mm

超広角ならではのデフォルメ効果を活かしたスナップショットを撮るのも面白い。長く伸びた自分の影と歩行者の足が重なるタイミングで撮影。マニュアル(F8 1/160秒) ISO200 WB:太陽光 焦点距離:11mm

10秒の低速シャッターで星空を撮影。絞りは開放値だが周辺までシャープに解像している。マニュアル(F4 10秒) ISO1600 WB:2500K 焦点距離:14mm

ループ橋の全体をフレームに収めつつ、画面下に桜の木を写し込むことができた。マニュアル(F4 8秒) ISO1600 WB:2500K 焦点距離:12mm

【動画 音声あり】助手席の車窓からループ橋を動画で撮影。再生時間:約20秒 焦点距離:11mm