ゲーム専用機への情熱は失っていない

今回の発表では具体的なゲームタイトルや提供するIPは明らかにされなかったが、同時進行で複数のIPを使ったゲームを乱発するのではなく、厳選したIPでゲームを提供していく考え。

スマホゲームによってゲーム専用機市場が縮小し、任天堂側に焦りがあったのではという見方に対して、岩田社長は明確に否定。ゲーム専用機に対して「展望や情熱を失ったわけではない」とコメントし、ゲーム専用機市場の縮小という意見を牽制する。現状でも日本でダブルミリオンの売上を達成した家庭用ゲームが6カ月で5タイトル出ており、「ソフトの販売は好調」(岩田社長)。グローバルですでに多くの端末が出回っているスマートフォン・タブレットへゲームを供給することで、任天堂のゲームへのリーチを高め、ゲーム専用機との相乗効果を狙う。

スマホゲームが人気でも、家庭用ゲーム市場は縮小していない、と岩田社長

岩田社長は、スマホゲームを活用していくことを決めたのは、「ゲーム専用機の展望や情熱を持っているから」と強調。実際、新しいプラットフォームの家庭用ゲーム機「NX」(開発コード名)の開発もスタートしており、来年にも発表する。今回のスマホゲームでは、こうしたゲーム専用機へ誘うための架け橋としての役割を期待し、あくまでも主力はゲーム専用機という考えだ。

任天堂のIPを利用した両社のゲームは年内にも登場予定。両社の協業によって、「新しい価値を提供できるゲーム、コンテンツが生み出せる」と守安社長。岩田社長も「新しいビジネスモデルが発明できれば最高」と話しており、今後の両社の新しい戦略に注目したい。

(記事提供: AndroWire編集部)