近年のMicrosoftはOfficeアプリをAndroidやiOSといったWindows以外のプラットフォームにも積極展開しており、むしろアプリケーションやサービスに関してはプラットフォーム中立の性格が強くなっている。これは特にコンシューマ市場における利益の源泉がOSのライセンス収入よりも、むしろアプリケーション提供やサービス提供による収入モデルへと移行しつつあることを反映したものだ。Cortana、つまり(検索技術のベースになっている) Bingの利用機会を少しでも増やすことがMicrosoftの長期的な戦略成功へとつながる。
一方でGoogle Nowで実現されているようなカスタマイズに必要な情報収集がCortanaで行われているとはいえず、これは今後Windows 10への同機能の標準搭載が行われてもそれほど変わらないだろう。Cortanaの利用機会を増やすことは、こうした変化しつつあるMicrosoftの収益モデルを後押しする効果があると考えられる。
対抗となるGoogle側では、こうしたMicrosoftの動きを歓迎しているようだ。Marketing Land主催のDanny Sullivan氏が現在米テキサス州オースチンで開催されているSXSWの自身がモデレータを務めるセッションにおいて、Google Now製品担当ディレクターのAparna Chennapragada氏に尋ねたところ、「月並みな言葉だが非常に素晴らしいことで、これから登場する技術の礎となる」とReutersの報道を受けての感想をコメントしている。
GoogleとしてはMicrosoftの方向性は歓迎しているが、Google NowそのものはWindows Phoneに対して提供する計画はないとも説明しており、現状で世界シェアの3%に満たないといわれるWindows Phoneの立場の難しさも同時に示唆している。