「Windows Phone=安い」が消費者に浸透
1年以上前だったらWindows PhoneもiPhoneやAndroidと同様に派手なハイエンド機種で注目されていたが、ハイエンド製品はしばらく登場しておらず、この1年で「Windows Phone=安く入手できるスマートフォン」という認識がすっかり消費者に浸透している。
こうしたMicrosoftの戦略を「ハイエンド製品ではiPhoneやAndroidのシェアを奪うのが難しいから安売りに活路を見いだそうとしている」と見る向きもある。それは正しくもあり、間違いでもある。たしかに新興市場を中心に今も新たなスマートフォンユーザーが増え続けている廉価帯に活路を見いだそうとしているが、スマートフォン市場で低価格競争を仕掛けているのではない。Windows Phoneはスペックが限られた低価格端末においてなめらかに動作するから、それを武器に普及価格帯・廉価帯を中心に展開しているのだ。
最近では新興市場向け製品も一通りの機能を備えるようになったが、実際に使ってみると、最新のOSを数世代前のPCで使っているような使い勝手の端末が少なくない。低価格が絶対条件で、「ローエンド機だからモッサリ」は仕方がないとされているところがある。だが、そうした製品のターゲットになるユーザーも、ハイエンド機種のユーザーと同じように快適な使用体験を求めている。廉価帯のスマートフォンを使い比べてみると、Windows Phoneは安定して使い勝手が良く、スマートフォンとしての使用体験の良さが光っている。
Googleも低スペックな端末向けにAndroidを最適化する作業を進めているものの、製品レビューなどを見ても現時点では総じてWindows Phoneの評価が高い。ハイエンド機種とローエンド機種の間の使用体験の差が比較的小さく、廉価帯における使い勝手の良さがWindows Phoneの長所になっている。
ユーザー体験に優れた低価格端末は日本市場でも魅力
低価格端末市場で強みを発揮していても日本市場では関係ないと思う人もいるだろう。前述のリストにあるように普及価格帯・廉価帯の端末のスペックも着実に向上しており、Windows Phoneの使い勝手を組み合わせると日本市場でも十分に通用する。
米国でLumia 635が評価されているのが、それを証明している。昨今のMVNO市場の急速な成長も考え合わせると、30,000円以下、20,000円以下で購入できるSIMロックフリー端末として登場したら機能と使い勝手、価格のバランスに魅力を感じる人は多いと思う。「安かろう、悪かろう」という先入観を持たずに、機会があれば、低価格端末でのWindows Phoneのユーザー体験を試して欲しい。