ノンスタ井上は愛され上手!?
――先輩に愛されるタイプなんですね
先輩に愛されることは、仕事でも重要だと思います。そのためにはプライドを捨てて、「甘え上手」になること。特に男性は、何に対しても1番になりたがるんですね。1番になるにはプライドを高く持っていないといけないし、「周りにいるやつは全員ライバルや!」と思う。僕もそうだったんですけど、それを一旦捨てることが大切じゃないかなと思います。
――プライドを捨てる
かけっこで例えると、1位のやつがいて、僕は6位だとする。「絶対お前には負けへんからな!」というのがプライドが高いやつで、「お前やっぱり速いな! すげえな!」と言えるのが甘え上手なやつです。気持ち良くなるよう持ちあげるんですけど、それは後々1位になるための布石(笑)。単に甘えるのではなく、自分に有益な情報を得るんです。「えーどうやって速く走ってんの?」「コツとかあんの? 教えて」といって、うまく情報を得られれば、後々僕が1位になる可能性もありますから(笑)。
――教えたくなる後輩になると
あとは格好を付けない。
――え、そうなんですか(笑)?
「ナルシスト」とは言われるけど、そういう意味ではなくて(笑)。できるふりをしないで、できないことは「できない」といえるようになることです。仕事で「これできる?」といわれて、できないのに「できます!」と言うのが一番良くない。できるといったくせに失敗するから嫌われるんです。「無理かも…」と思ったら、「ちょっとできないかもしれないです。どうやるのか教えてもらっていいですか?」と聞ける人が甘え上手。教えたくもなりますよね。自分の能力を見極めることも重要ですね。
――なるほど
そもそも、自分がプライドを捨ててまで甘えるというのは、その先輩がそれだけの魅力・能力がある人だということですから。そういう先輩は、自分で見極めるべき。後輩にも「俺と一緒にいても、『メリットなり学べる部分がないな』と思ったら俺のところに来なくていい」と言います。そう言うことによって、自分にも発破がかかりますし、後輩よりもぜったい上にいよう、がんばろうと思えます。自分で自分を崖っぷちに立たせているわけです。
――良い先輩と出会えるかもポイントですか?
出会いは運でしかないんです。どの仕事でもいい先輩、いい人に出会えるはず。重要なのは、その関係を長く続けられるかどうかです。そのためには、1回目の出会いでどこまで仲良くなるかが鍵ですね。
初対面で嫌われたらどうする?
――初対面で大切にしていることは何ですか?
礼儀はちゃんとするんですけど、猫はかぶらない。僕が大事にしているのは「失礼すぎずに失礼にする」。本当の自分を初めから見せるんです。そうじゃないと好きになってもらえないから。1回目から素を見せていれば、その先ずっとそのままじゃないですか。でも、5回目にあったときに初めて素を見せたら、嫌われるという可能性もあります。
――初対面で素を出して嫌われたら…とは思わないのですか?
嫌われるなら、早めに嫌われておいた方がいい。その方が好きにさせるチャンスが増えるじゃないですか。仮にその人と会える回数が10回と決まっていたとします。初めてあった時に嫌われていれば、残り9回分も好きになってもらうチャンスがあるんです。でも、5回目に嫌われたら、自分を好きにさせるチャンスはあと5回しかない。しかも、1回から5回までで好きになってもらえたぶんも、全部おじゃんになってしまうんです。
――仕事もそのスタンスで?
同じです。特にテレビは1人では作れないものですから、格好わるい部分もダサい部分もいい部分も全部さらけ出すべき。結局「『井上裕介』はこういう人間なんですよ」ということを知ってもらわないと、チームに入れたときにどういう役割を与えたらいいかわからないじゃないですか。会社でもそうですけど、大きな仕事をするときにはそれぞれの得意な部分を任せる。そのためには、自分の得手不得手を皆と共有しておくことですね。
あとは無理しすぎないけど、自分ができることは100%実行する。できないことを無理して頑張っても、100%の成果は出ません。できないことはできないと言わないと。代わりにやれることは全力でやるんです。