十分に速い、昨今のMacBook Airシリーズ
2014年4月にリリースされたMacBook Air 11インチの最も安いモデルを1週間使ってテストしたことがあった。
Haswell Refresh世代のCore i5 1.4GHzプロセッサとメモリ4GBを搭載したモデルは、2年前の15インチMacBook Proよりもあらゆる面で快適だった。同じプロセッサを備えた最も安いiMac 21.5インチモデルも、同じ結果だった。この結果には少しショックだったことを、記憶している。もちろんこれがテクノロジーの進歩だ、とわかっている。ただ、2012年当時、3倍弱の価格のMacBook Proよりも、米国の売価で1000ドルを切る最新マシンの方が速かったからだ。
それでもきびきびと動く最新マシンを前に、「これでいいじゃないか!」と叫びたくなるような、そんな経験だったのだ。
Retinaディスプレイ問題
例えiMovieの編集の時に、新しく安いモデルの方がスムーズであっても、筆者にとってはまだ2012年モデルのMacBook Pro 15インチRetinaディスプレイモデルの方がアドバンテージがあった。快適な廉価モデルのMacBook Airだったが、やはりディスプレイがものを言う、と思ったのだ。ここ数年で、筆者の「良いコンピュータ」の価値観が変化したことにも気づいたのだ。
iPhone、iPadがRetinaディスプレイを搭載していたから、MacでもRetinaディスプレイで使いたくなった。そこで、2012年にMacとして初めてRetinaディスプレイを搭載したMacBook Proを使うことに決めたのであった。慣れというのは怖いもので、一度RetinaディスプレイでMacを使ってしまうと、そうでないモデルを使う際に生じる文字のぼやけた輪郭がどうしても気になってしまって。
Retinaディスプレイは写真やビデオをも美しく表示することはもちろん、文字の表示も別次元のモノへと高めてくれるのだ。
グラフィックス性能の充実は、これからか?
個人的には、15インチMacBook Proはメインマシンとして充分なサイズと性能を発揮してくれて、しかもRetinaディスプレイでの表示を楽しむことができた。一方で、「軽快なメインマシン」という条件には当たらない。
15インチのMacBook Proの場合、デスクではスタンドに載せ、外部キーボードとBluetoothのマジックトラックパッドを使っている。すると、背筋が伸びてまっすぐな姿勢で快適に仕事ができる。
ところが、これより小さなマシンでは、デスクスタンドに載せると画面が小さすぎるため、おそらく外付けディスプレイが必要になる。例えば24インチ前後のディスプレイを使えると良いが、もしこちらもRetinaと同等の表示にこだわるとすれば、4Kディスプレイ、ということになる。
ここでまた別の問題が生じる。2014年2月末時点で、外部4Kディスプレイに対応するMacBookシリーズは、2013年以降のRetinaモデルのMacBook Proしかない。
外部4Kディスプレイに対応するMacはこちらで確認できる |
しかも、もし60Hzで表示したい場合、結局2013年以降の15インチのMacBook Pro Retinaディスプレイモデルしか選択肢がないのだ。また、重たい15インチモデルを選ばなければならないのでは元も子もない。
ということで、昨年からしばらく、あまり積極的に買い換えを検討しない、「ステイ」している状態になってしまっている。