――ビッチになろうと思ったきっかけって何だったんですか?

キャラクターを守ることを気にしているのは自分だけじゃないかと思いまして。テレビを見ている人も「もういいよ、お前のモテないトークは」と思ってるのかもしれないなって。そこに関して、自分は「面白いですよ」ということはどこかで見せればいいわけですけど、それだけを名刺にすることもないのかなって。モテないというのは芸に昇華させて、プライベートではビッチになってもいいんじゃないかなって思ったんです。

自分が繊細だっていう傾向は、今の主流で、悩みっていうのはすべてそこから始まってるじゃないですか。でも、最近になって何も感じない、動じない人の魅力に気付き始めて、あっけらかんとした人はいいなって思うからビッチになろうと思ったんです。

――誰か具体的にこの人のあっけらかんさがいいなっていうのはありますか?

具志堅用高さんですね。今、好きなタイプでいうと、身体がでっかくておおらかな人、ハートが強くてへこたれない人。いまどきそういう人はなかなかいないけれど、明るい人はいいですね。

ビッチはかっこいい

――光浦さんのビッチのイメージってどういう感じなんですか?

ビッチはかっこいいイメージですね。明るくてあっけらかんとして強いし、ウソもつかないでしょ。誰かを理想にしたり目標にしたりするんじゃなくて、概念ですね。

――そういうかっこよさ、あっけらかんさでのビッチだったんですね。

43歳になって、このままババアになって、男ともっと遊びたかったという強い後悔が念になって地縛霊になるのかと思ったら、一回くらい男と遊んでみたいなと思って。だから、パートナーを探すとかそういうのは次のステップです。ビッチになって恋人を作るという、初歩の初歩を43歳になってやってみようと。男の人が声をかけようと思う引き出しに入るのが目標です。

――恋人とかパートナーを探すのは二の次とのことですが、光浦さんを見てると、回りに友達がたくさんいて、すごく楽しそうでいいなと思います。

そうですね、そこは他の人よりも恵まれてると思います。未婚の人がどんどん寄ってくるし、大学時代の友達もみんな独身ですね。強いし、優しいし、楽しいですよ。

――そんなお友達との面白そうな企画として、今後「芸能人と歌手とバンドの春フェス」というのを開催するそうですよね。

「たんぽぽ」の白鳥久美子さんと飲み屋にいたときに盛り上がって、ミュージシャンの人にも出てもらうんです。学園祭とか大好きなもんでね。手芸のワークショップも学園祭気分ですね。

でも、こういうことをやってくには、ハードル下げて世間にもそんなに注目されないことが大事ですね。ちょうどいい感じでコソコソと楽しいことをやって、一部の人たちにクスクスっと笑ってもらう、そういうのっていい関係性だなって思うんです。

『お前より私のほうが繊細だぞ!』(光浦靖子 著/幻冬舎/税別580円)は現在発売中