部分的なエリアで無線容量を拡大
PREMIUM 4Gでは通信速度の高速化もさることながら、小型基地局(アドオンセル)をトラフィックが集中する箇所に重点的に投入することにより、部分的なエリアでの無線容量を拡大できるのが大きな利点になる。従来もトラフィックが大きいエリアには基地局が追加されていたが、単に基地局を増やしてもエリアが重複するとハンドオーバーなどの処理が増えるだけであり、基地局の増加には限界があった。高度化C-RANによってエリアが重複する基地局同士でも効率的に切り替えて利用できるようになり、トラフィックに応じた基地局の配置が本格的に行えるようになるのだ。
3月27日のサービス開始時には、全国22都道府県の38都市の都市部から、重点的にエリア展開が行われる。
ドコモとしては1.5GHz帯、1.7GHz帯のLTE専用帯域を使った「フルLTE」を全国展開することが主眼であり、その上で帯域が足りなくなっている繁華街などをスポット的にPREMIUM 4Gで帯域効率向上させていくという展開を考えているようだ。ただし、PREMIUM 4Gに必要な高度化C-RANに対応した基地局の展開自体は全国的に進めていくとしており、必要に応じてPREMIUM4Gへの切り替えが可能なネットワークを構築していく計画だ。
将来の展望としては、2015年度中に225Mbpsから300Mbpsへ増速し、2016年度中には3.5GHz帯の導入を含めて300Mbps以上へ、そして2020年ごろを目標に、より高速な5Gへと進化していくというロードマップが公開された。なお、LTE-Advanced自体は規格として最大1Gbpsまでが規定されているが、これはトータル100MHzの帯域を使えた場合の話であり、実際には割り当て帯域の問題などがあるため、どこまで増速できるかは未知数とのことだ。