参加者の声
今回のトークセッションの参加者の声とその回答を紹介したい。多分、多くのユーザーが持つ意見や疑問だと思う。まずは、新機種を含む今後の予定であった。これに対し上月氏はまったく決まっていない。まずは、フィードバックを取り込みたい。さらに、毎シーズン新機種の投入といったことはないだろうとのことである。浅井氏も、発表できるものはないが、いろいろ検討いただいていると語った。
次は、スケルトンのライトなイメージがあるが、使ってみると重量が重いように感じたという意見である。上月氏は、今の機種と比較すると厚いので重さもあるが、丈夫な構造にしていることも理由と語る。さらに、パーツ1つ1つの具がしっかりしている(笑)とのことだ。Fx0では、電池の持ちがよいとの評価があるので、今後の機種によっては少し電池を小さくする可能性もあるとのことだ。
また、開発者や好きな人以外では2台持ちは考えられない、普通のユーザーならば1台持ちであろう。そのあたりの方向性はいかがかという質問もあった。上月氏は、現状は2台を意識せざろうえないが、1台持ちにできない理由はない。しかし、今は、他と競合しない部分にあえて出させていただいていると答えた。今後、会社としての対応は、未定とのことである。さらに浅井氏は、自分の母親に機種変更で、初めてのスマフォでFx0を使わせているとのことだ(笑)。メールやカメラが使えれば問題なく、唯一の苦情は、キー入力が使いにくいで、それもハードキーがないことが理由とのことだ。1台持ちでもなんとかなると思うと語った。
最後の質問は、ブラジルなどでFirefox OS端末がどう利用されているのかであった。浅井氏は、現地に赴いたわけではないが、ブラジルやインドなどでは、2台、3台持つような金銭的余裕はない。Android端末は通信料も多く、従量課金では使用料も高額になるが、Firefox OSではそのようなことがないので受け入れられているとのことだ。日本ではWeb接続は水道と同じようなイメージである。しかし、水道も完備していない、Webも繋がらないことが多いといった環境では極限まで安く、Webが速い端末を提供することで、社会的インフラとして普及している印象と語った。上月氏は、ブラジルなどでは、FMラジオが必須なんですと語る(笑)。浅井氏は、バージョン1.0の頃には、NFCがないのにFMラジオの機能があった。国によって違いがあり、その国のユーザーが使いやすい端末を、キャリアが自由に開発できることから、Firefox OSを採用している。単純にこれまでの端末と同じものを出しても、売れないこともあるだろうと語る。そして、上月氏も本当に好き勝手にやらせてもらえたし、なによりも、ここにいらしている皆さんと一緒にやりたかったと、うれしい台詞で締めくくった。
トークセッション終了後、懇親会となり、自由な雰囲気のなかで、歓談が進む。
イベントの最後はじゃんけん大会となった。
Mozilla、Firefox OS関連のイベントは、とにかく楽しく、遊び心に溢れている。まじめな勉強会もあるが、楽しむみながら学ぶことが基本となっている。この雰囲気からか、普段聞けないような話も飛び出す。そんな話を聞けることもうれしい。
当日の展示物から
会場では、デモ用にFx0が5台展示され、自由に使うことができた。
筆者も初めて実機に触れることができた。印象であるが、想像以上に動作が軽かった。30万円かかる試作を10回も繰り返したというネームキーの感触もよかった。隣りでは、3D PRINT LAB.の展示が行われていた。
これは、2015年1月より開始されたサービスで、3Dプリンタを使いオリジナルのスマホケースの製作・購入ができるものだ。あらかじめひな型が用意されており、そこに文字を入れたり、立体スタンプで造形していく。申し込みは、Webサイトから行う。
図7 3D PRINT LAB.の公式ページ |
使う3Dプリンタは、DMM.comの粉末焼結積層造形式の高性能プリンタで、スマフォケースならば1cmに1分ほどかかるとのことだ。納期は2週間程度で、費用は送料込みで3980円(税抜)である。ちょうど横に、ジェットダイスケ氏がおられたので「やはり透明タイプもほしいですよね」と聞いたところ、うなづいていた。着色していない無垢の白とかもおもしろいだろう。Fx0専用ではなく、他の機種にも対応する。さらに、データさえあればいいので、iPhone4Sのような、旧い機種にも対応するとのことだ。 そして、Firefox OS搭載炊飯器である。
半分、ジョークのような企画であるが、見ていておもしろかった。すでにPanasonicがCESでFirefox OS搭載TVを発表している。今後も、注目である。
コミュニティイベントも多数予定
Fx0販売開始以降、Mozilla JapanやKDDIなどの主催するイベントも開催されているが、さらにコミュニティやメディア主催のイベントも予定されている。
図9 Firefox OSに関連するコミュニティイベント案内(Mozilla Japanのブログ) |
いくつか紹介すると、まずは毎月定期的に開催されるのが、Firefox OS のソースコードを読んだり、語らったりする「ゆるふわ」なFxOSコードリーディングミートアップである。また、Firefox OS勉強会も関東、関西にて、回数を重ねてきており(ほぼ2カ月おきに開催)、今後も開催予定である。ハンズオンも東京だけでなく、名古屋、高崎などでも開催を予定する。こちらは、初心者向きのイベントも多数ある。Firefox OSアプリを作成してみたいと思うならば、要チェックだろう。
本誌も含め、現状のFx0の問題点として、アプリの数の少なさを指摘する意見が少なくない(特に、ゲーム系)。だからこそ、アプリ開発の幅も広いといえるのではないか。自分がほしい機能をアプリとして実現する。ひょっとしたら、それがキラーアプリになる可能性も潜んでいる。やってみようという意識さえあれば、いいだろう。
これらの開催予定などは、上述のMozilla Japanのブログにて随時発表される。実際、Fx0に触れる機会やその中身などを知るとなると、個人だけでは難しい。そこで、こういったコミュニティイベントは、大きなチャンスといえるだろう。興味を持たれたのであれば、参加してみてはいかがだろうか。