「NEXTGEAR-NOTE i5900PA1」の内部を確認。実は拡張も可能!?

せっかくなので、本体内部の様子を確認してみることにしよう。底面のネジをすべて外し、裏ぶたを固定しているツメをゆっくり外していく。ふたを開いてまず目に付くのが、パームレストの左部分に配置された大型のバッテリーだ。続いて、本体左側に配置されたCPUと、右奥で2つのファンによって冷却されているGeForce GTX 980Mが目に留まる。またGPUファン付近にはRealtekのIEEE802.11 b/g/nおよびBluetooth V4.0準拠の無線モジュールも確認できる。使用できないといわれていたSIMカードスロットには、一応スロットがしっかりと実装されている。もしかしたらなんらかの機能が実現できるかもしれないので、腕に覚えのある方は利用してみるのもいいだろう。ただしマウスコンピューターの保証外となるので、試す際は自己責任でお願いしたい。パームレスト右下のスペースにはSSDとHDDが収納されており、M.2コネクタには1基の空きがある。取り付け用の金具も用意されているので、非公式だが自分でSSDの追加や交換を行うこともできそうだ。

本体底面のカバーを外したところ。3基のファンが取り付けられており、うち2基はGeForce GTX 980Mを冷却するためのものだ

本体左側にはCPUが配置されている。銅製のヒートパイプ2本で左側面のスリットに熱を移動させ、ファンによって排気される

本体中央部奥側にはGPUが配置されており、ヒートパイプ3本によって右奥側の2つのファンに熱を移動し、本体背面から排気される

本体右側面のコネクタ付近の様子。使用できないとされていたSIMカードスロットにもしっかりコネクタの実装がある。なんらかの機能に利用できるかも?

右側のパームレストの下に配置されたSSDとHDD。M.2スロットに1基空きがあるため、ユーザーの手によって拡張も可能だろう

マザーボードの表に取り付けられたメモリは4枚中2枚のみ。試用機では動作電圧1.35Vで動くDDR3L-1600メモリの8GBモジュールが採用されていた。搭載されているSSDは、PlextorのPX-G512M6e。PCI-Express接続によって、SATA3.0規格の帯域制限による速度の頭打ちがないため、600MB/sを超えるシーケンシャル読み書きを実現可能だ。HDDはWestern DigitalのWD10JPVX。1TBの容量があるため、速度を重視する必要のないデータファイルは、こちらに保存しておくといいだろう。

32GBのメモリを搭載しているが、16GB分のモジュールだけ確認できた。DDR3L-1600のSODIMMはADATA製品となり、1枚当たりの容量は8GB

M.2コネクタによってPCI-Express接続されたPlextorのPX-G512M6e。「CrystalDiskMark 3.0.3」でベンチマークを行うと、600MB/sを超える速度が確認できた

SATA3.0で接続されたWestern DigitalのHDD・WD10JPVX。容量は1TBとなる。「CrystalDiskMark 3.0.3」での結果はこの通りだ

ベンチマークで「NEXTGEAR-NOTE i5900PA1」の性能をチェック!

それでは、各種ベンチマークテストで本機の性能を見ていこう。まずはWindowsシステム評価ツール「WinSAT」でのWindowsエクスペリエンス インデックス スコア測定の結果から。グラフィックスの2項目はCPU内蔵グラフィックスを利用した数値となっているため、GeForce GTX 980Mの性能はこのあとのゲームベンチで確認してほしい。プロセッサ/メモリ/ストレージについては文句の付けようがない。特にプライマリディスクの"8.3"は、今まではRAID構成でもなければ目にすることのできなかったスコアだ。

Windowsエクスペリエンス インデックス スコア
プロセッサ 8.3
メモリ 8.3
グラフィックス 5.9
ゲーム用グラフィックス 5.6
プライマリディスク 8.3

加えて、「PCMark8」にて総合的なパフォーマンスを測ってみよう。こちらの結果も満足のいくもので、ホームやオフィス用途では、高いCPU処理能力とディスプレイ解像度によって素早い作業が可能だ。こちらのベンチマークでもCasual GamingはCPU内蔵グラフィックスによって計測されているため、総合スコアは少々落ちている。なお、NVIDIAコントロールパネルから設定を行えばGeForce GTX 980Mを使用するように設定することも可能だが、はっきりいって電力のムダなので、通常はCPU内蔵グラフィックスに処理を任せたほうがいい。「CINEBENCH R15」で見るCPUの処理能力は、並みのデスクトップ向けCPUよりもよっぽど優秀だ。テスト結果だけ確認すると、デスクトップPCだと思ってしまう人も多いことだろう。

Futuremark PCMark8 Home accelerated 3.0
Your Home accelerated 3.0 Score 3303
Web Browsing - JunglePin 0.376 s
Web Browsing - Amazonia 0.165 s
Writing 6.97 s
Photo Editing v2 0.134 s
Video Chat v2 / Video Chat playback 1 v2 30.0 fps
Video Chat v2 / Video Chat encoding v2 33.0 ms
Casual Gaming 26.7 fps
Benchmark duration 39min 32s

「CINEBENCH R15」によるベンチマーク実行結果

GeForce GTX 980Mは4K液晶のネイティブ解像度をどこまで動かせるか?

次に、NVIDIA GeForce GTX 980Mが備える3Dグラフィックス処理能力をチェックしていこう。まずはFuturemarkの3Dグラフィックス向け定番ベンチマーク「3DMark」のFire Strikeにて総合性能を確認。Graphics Score"9662"というスコアは、1世代前のデスクトップ向けハイエンドGPU「GeForce GTX 780」と同程度のスコアとなり、第2世代MaxwellがいかにノートPCに向いたアーキテクチャなのかがよくわかる。さすがにUltraの結果は厳しいが、これ以上を望むのは贅沢というものだろう。

Futuremark 3DMark
項目 Fire Strike
1.1
Fire Strike
Extreme 1.1
Fire Strike
Ultra 1.1
3DMark Score 8261 4401 2292
Graphics Score 9662 4623 2238
Physics Score 9435 9465 9469
Combined Score 3633 2035 1174
Graphics Test 1 46.10 fps 23.40 fps 11.86 fps
Graphics Test 2 38.59 fps 17.62 fps 8.25 fps
Physics Test 29.95 fps 30.05 fps 30.06 fps
Combined Test 16.90 fps 9.47 fps 5.46 fps

続いてゲームのベンチマークテストを試そう。まずは指輪物語をモチーフにしたアクションRPG「ミドルアース:シャドウ・オブ・モルドール」 のベンチマークだ。設定を上げるごとにテクスチャ容量が大きくなり、負荷が増大するタイトルだが、フルHD(1920×1080)までの解像度ならば余裕で平均FPS 60以上をたたき出すことができた。最新の3Dアクションタイトルがこれだけ動くのだから、やはりすごい。とはいえ、4K解像度はやはりまだまだ厳しい。今はまだゲームで利用できる解像度ではなさそうだ。

ミドルアース:シャドウ・オブ・モルドールのベンチマークテスト
設定 最小FPS 最大FPS 平均FPS
1280×720【High】 66.03 190.93 122.80
1280×720【VeryHigh】 66.80 195.10 117.01
1280×720【Ultra】 55.87 154.40 93.57
1920×1080【High】 49.48 138.46 85.28
1920×1080【VeryHigh】 46.33 124.67 80.17
1920×1080【Ultra】 45.69 99.63 66.72
3840×2160【High】 23.83 41.06 30.65
3840×2160【VeryHigh】 22.87 40.89 29.33
3840×2160【Ultra】 20.72 33.02 25.96

昨年末に拡張パック「蒼天のイシュガルド」の詳細が発表され話題になった国産MMORPGタイトル「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマーク、キャラクター編も試してみよう。こちらのベンチマークでは、4K解像度でも"快適"と、なんとか遊べそうなスコアが確認できた。インタフェースのサイズの問題などもあるため、実際のゲームで利用するかどうかは別だが、少し古めのタイトルであれば4Kでも動作可能であることがわかったのは収穫だ。

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
設定 スコア 評価
1280×720【高品質(ノートPC)】 17167 非常に快適
1280×720【最高品質】 16029 非常に快適
1920×1080【高品質(ノートPC)】 14265 非常に快適
1920×1080【最高品質】 11421 非常に快適
3840×2160【高品質(ノートPC)】 4949 快適
3840×2160【最高品質】 3753 快適

最後に、念のため「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.10」を動作させておこう。結果としては、すでに各解像度、設定ともにほとんど数値が変わらなかった。これ以上スコアを上げるとしたら、CPUの進化を待つしかなさそうだ。

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.10
設定 スコア 評価
1280×720【標準品質】 16809 すごく快適
1280×720【最高品質】 16690 すごく快適
1920×1080【標準品質】 16316 すごく快適
1920×1080【最高品質】 15919 すごく快適

高精細デスクトップを利用できるハイスペックゲーミングノート

GPUにGeForce GTX 980Mを搭載するという、ゲーマー垂涎のハイスペックノート「NEXTGEAR-NOTE i5900PA1」。そしてその3Dグラフィックス処理能力を最大限に活かすため、CPUにCore i7、メモリ32GB、さらに大容量512GBのPCI-Express接続SSDも搭載。それでもまだ飽き足らず、4K液晶ディスプレイまで搭載してしまった本機は、まさにゲーマー向けの"全部入り"ノートPCといって過言ではない。この性能は、ゲームだけでなく映像・音声・写真などの編集などでも強力な性能を発揮してくれることだろう。また、ちょっとPCに詳しい人にとっては、内部に増設の余地があるのもうれしいところ(ただし自己責任での対応となるので、その点はご留意を)。この冬発売した注目のゲームタイトルをノートPCで遊びたい人はもちろんのこと、4K解像度を活かした画像・映像処理を行う人にとっても、注目すべき一台といえるだろう。

※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 NEXTGEAR-NOTE i5900PA1
ディスプレイ 15.6型クアッドフルHDノングレア「IGZO」(3840×2160)
CPU インテル Core i7-4720HQ
メモリ 32GB PC3-12800 DDR3L SODIMM
SSD 512GB PLEXTOR M6e (M.2規格/PCI Express接続)
HDD 1TB SerialATAII
チップセット モバイル インテル HM87 Express
光学ドライブ
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 980M
OS Windows 8.1 Update 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN、IEEE802.11 b/g/n対応無線LAN
インタフェース USB 3.0×4(左側面×1、右側面×2、背面×1)
※背面ポートはeSATAポートと共用
サイズ W385×D275×H29mm(折り畳み時)
重量 約2.5kg
バッテリー駆動時間 約4.7時間
価格 279,800円(税別)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2015/2/16(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。