内部ハードウェアはベーシックなBay Trailタブレット

CPUはIntel Atom Z3745。Bay Trail-Tベースの4コアCPUで、動作クロックは1.33GHz、バーストクロックは1.86GHzとなる。メモリはLPDDR3の2GB。ストレージは32GBで、OS上からはCドライブが23.4GB(空き容量21.2GB)、そのほか回復パーティションとして5.48GB使用されていた。

CPUはIntel Atom Z3745

GPUはAtom Z3745に統合されたIntel HD Graphicsを利用する

メモリは2GB。動作モードはDDR3-1066とされる

ストレージ容量は32GBで、OS上からは29GB。Cドライブは23.42GBとなる

初期状態でのCドライブの空き容量は21.2GBだった

無線機能は、IEEE802.111/b/g/nおよびBluetooth 4.0に対応している。ほか、センサー類では、加速度センサー、光センサー、デジタルコンパス、GPS、GLONASS(ロシア版GPS)をサポートしている。GPSに対応しているため、位置情報を用いたアプリケーションも活用できる。

OSはWindows 8.1 with Bing 32bitを採用。メモリも2GBであるため32bit版で妥当なのだが、普段のPCで64bit版を使用している場合、同じアプリで32bit版/64bit版が分かれているような場合は注意しよう。

ゲームはキビシイが普段使いや音楽・映像再生には不足なし

パフォーマンスを見て行く前にWindowsエクスペリエンスインデックス(WEI)を確認しておこう。最も低かったスコアはGraphicsスコアの3.7。AtomもBay Trailからはグラフィックス機能が大きく向上し、普段の操作のレスポンスは快適になったものの、まだ3Dゲームを快適に楽しめるというほどではない。一方でメモリは5.5、CPUは6.3、ストレージは7.1とグラフィックス以外は高いスコアを出している。

Windowsエクスペリエンスインデックス

ではWEIのスコアを念頭に、ベンチマークのスコアを確認していこう。まずはPCMark 8。Homeスコアは1094、Creativeスコアは1004、Workスコアは1130となった。スコアは、Coreシリーズプロセッサを搭載するクラムシェル型ノートと比べればかなり低いが、Bay Trailなりのものと言える。スコア全体を見渡すと、Workスコアが一番高いとおり、処理負荷の軽いテキストベースのデータ処理が最も適している。次点でHomeスコアが続くとおり、静止画や動画であれば視聴を中心に活用するのがよいだろう。念のため計測したPCMark 7のデータも添えるので、検討の際に比較用として活用いただきたい。

PCMark 8 Homeスコアは1094

PCMark 8 Creativeスコアは1004

PCMark 8 Workスコアは1130

3D処理に関しては、WEIでも最も苦手としていることが分かりきったところだが、まず3DMarkを見てみよう。スコアは、Ice Stormが14748ポイント、Cloud Gateが1241ポイント、Sky Diverが485ポイントだった。ミドルレンジグラフィックスカードに搭載されるGPUと比較すると、1~2桁低い値だ。なお、Ice StormはDirectX 9ベースでかなり軽量、Cloud GateはDirectX 10ベースで中量級、Sky DiverはDirectX 11ベースの中量級という設定のテストであり、本来この上にDirectX 11の重量級テストであるFire Strikeがあるが、こちらは実行中にエラーが生じてスコアが出なかった。スコア的に、せいぜいDirectX 9まで、と言える。

3DMark Ice Stormスコアは14748

3DMark Cloud Gateスコアは1241

3DMark Sky Diverスコアは485

では実際のゲームがどのくらい動くのかというところだが、負荷の低いドラゴンクエストX ベンチマークソフトを「低品質」設定で動かしたとしても、1920×1080では921ポイントで「動作困難」、1280×720ドットでは1490ポイントで「重い」、640×480ドットでようやく2219ポイントの「やや重い」という評価だった。これを見る限り、ゲームを楽しむのであれば2Dベースに考えたほうがよいだろう。

ドラゴンクエストX ベンチマークソフトの低品質、1920×1080ドットのスコアは921

ドラゴンクエストX ベンチマークソフトの低品質、1280×720ドットのスコアは1490

ドラゴンクエストX ベンチマークソフトの低品質、640×480ドットのスコアは2219

続いてストレージ。Cドライブに対してCrystalDiskMarkを実効した結果では、シーケンシャルリードが166.7MB/sec、同ライトが71.72MB/secとなった。500MB/sec程度出る現在のSATA SSDと比べると1/3ほどだが、HDDと比べれば競り合える。また、512Kや4Kのスコアで見ればHDDよりも高速なので、こうしたあたりが(Coreシリーズを搭載したPCに対して)低スペックでも十分なレスポンスを得られる理由だろう。

パフォーマンスに関しては、Bay Trailなりではあるが、普段のブラウザベースの作業やビジネス文書の作成、映像視聴などには支障ない。ゲームや映像編集など一歩踏み込んだことをしようとなると力不足だが、そうした用途に向けた製品ではないし、高性能な別のPCを用意するほうがよい。

CrystalDiskMark(Cドライブ:ランダムデータ)

最後はバッテリ駆動時間を確認しておこう。BBenchを用いたテストでは、キーボード入力オン、Web巡回オン、Wi-Fiオン、Bluetoothオンの設定で、バッテリー残量5%で電源オフとなるまで15時間8分49秒という結果だった。公称の15時間に対しほぼ合致する結果だ。実際に使用する際はもう少し短くなると考えられるが、朝に満充電にしておけば、夜まで使えるだろう。