クリエイティブアシストモードを新搭載

新機能として、「クリエイティブアシストモード」を搭載した。これは絞りや露出補正、ホワイトバランスなどのカメラ用語を「ぼかす~くっきり」「暗く~明るく」「寒色~暖色」などのやさしい言葉に置き換えて、ビギナーでもさまざまな機能設定を簡単にできるように配慮したモードだ。各項目はタッチ操作でスムーズに調整できる。

従来のクリエイティブオートでは、電源をオフにすると各設定がリセットされるようになっていたが、今回のクリエイティブアシストでは自分好みの設定を6つまで保存でき、必要に応じていつでも呼び出せるように改善されている。

さらに、静止画と同時に動画を記録するプラスムービーオートモードや、クリエイティブフィルターのひとつとしてHDRモードを新搭載した。

撮像素子には、新開発したAPS-Cサイズの有効2,420万画素CMOSセンサーを採用。画像処理エンジンは「DIGIC 6」で、感度はISO100~25600に対応する。今回の試作機では画質を評価できないので、これは後日あらためてテストしてみたい。

クリエイティブアシストの操作画面

クリエイティブアシストでは、明るさや色合いをタッチ操作で直感的に変更できる

Wi-FiおよびNFCを標準装備。スマホやタブレットとの連携がスムーズに行える

液晶画面には、各種撮影情報のほか、必要に応じてグリッドや水準器、ヒストグラムを表示できる

トータルとしては、チルト可動液晶をはじめとする各種装備の強化によって、狙いに応じた撮影がしやすくなったことに好印象を受けた。細かい部分では、再生ボタンがやや押しにくいことに戸惑ったが、全般的な操作感は悪くない。押すだけのフルオート撮影から、凝ったマニュアル撮影まで幅広く対応できる。

気になるのは、専用のEOS Mレンズの種類がまだ少ないこと。現在発売されているのは、標準ズームと広角ズーム、望遠ズーム、単焦点レンズの4製品。マウントアダプターを利用することで豊富なEFレンズとEF-Sレンズが使えることは確かに魅力だが、それとは別に、より小型軽量のEOS Mレンズのラインアップをさらに充実させてほしいと思う。

EOS M3は、小型軽量と撮影自由度を兼ね備えたカメラだ。レンズ交換式カメラの入門者だけでなく、すでに一眼レフを所有しているユーザーが、より持ち運びやすい2台目や3台目のカメラとして選ぶのもいいだろう。

マニュアル(F5.6 1/1000秒) ISO100 WB:太陽光 焦点距離:18mm レンズ:EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM

マニュアル(F11 1/800秒) ISO100 WB:太陽光 焦点距離:55mm レンズ:EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM

絞り優先AE(F11 1/50秒) ISO100 WB:オート 焦点距離:200mm レンズ:EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM

マニュアル(F11 1/800秒) ISO100 WB:太陽光 焦点距離:22mm レンズ:EF-M22mm F2 STM

絞り優先AE(F7.1 1/640秒) ISO200 WB:オート 焦点距離:200mm レンズ:EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM