―― Micro USBコネクタを長くしたのは、ユーザーからのフィードバックによるものでしょうか?
そうです。サンディスクは、常にユーザーからの建設的な意見を取り入れています。先述のように、「ケースの上からmicroUSBコネクタを挿入するのは難しい」というユーザーからの意見が製品開発に反映された結果です。
日本では薄いエレガントなケースが好まれる傾向にあるようなので、あまり実感できないかもしれませんが、海外では好評です。
―― モバイル機器について、日本市場の特異性があれば教えてください。
日本市場のモバイルユーザーにとって、ストレージの容量不足は他国のユーザーよりも深刻なようです。
世界のAndroid/iOSユーザーは、平均すると630枚の写真と24本の動画をモバイル機器に保存しているという調査結果(※3)があるのですが、日本のユーザーに限れば、写真と動画を合わせて平均1500本ものデータファイルが1台のモバイル機器に保存されているという状況です。つまり日本市場では、このようなファイルのバックアップに対する潜在ニーズと重要性が大きいと言えるでしょう。
また、Android市場を見ると、世界では平均20%程度がOTG対応機器ですが、日本は4倍弱の76%がOTG対応となっており(※4)、ウルトラ デュアル USB ドライブ 3.0のような製品が活躍できる環境がすでに整っています。
※3: 出典: Magisto Survey of 66,000 Android/iOS users. Jan 2015
※4: 出典: サンディスク調べ(2015年1月23日現在)。
―― iCloudやDropboxなど、クラウドストレージの存在をどのように捉えていますか?
クラウドストレージは優れた対応策です。しかし、現時点ではいくつかの問題があると考えています。
コンシューマー向けのクラウドストレージは、ある程度の容量を無料で利用できますが、無料の範囲を超えると月額利用料が必要となります。多くのユーザーにとって、これはやや割高に感じられることでしょう。
それ以上に問題になるのは「ネットワークを使わなければならない」ということです。例えば、5人にサイズが400MBにもなる動画をシェアするシーンを考えてください。もし5人が同時に500MBのファイルにアクセスすれば、ネットワークの帯域圧迫となりますし、速度低下や、モバイル端末の場合は月間のデータ通信量制約といった問題が生じます。
このような現状を踏まえると、物理的デバイスによるオフラインでのファイル共有は、速度と価格、そして「データが手元にある」という安心感など、まだまだユーザーメリットが大きいと思います。
―― 最後に、これらの製品をリリースするサンディスクの強みを教えてください。
当社はストレージの可能性を広げることを追求しています。そのために研究開発の投資を継続して行い、結果として5000以上の特許取得と数多くのアワードの受賞実績を有しています。また、15nmのフラッシュメモリを世界に先駆けて出荷しました。
昨年は個人向け製品としては珍しい、10年保証の1TBのSSDや512GBのUSH-I対応SDXCカード、128GBのmicroSDXCを発表しました。
このように、当社は常に高速・大容量の製品をタイムリーに提供し、一般ユーザーのみならず、カメラマンなどのプロフェッショナルからも信頼される業界のリーダーであり続けたいと考えています。
―― 今後もユーザーの声を反映した製品開発に期待しています。今回はありがとうございました。