今後IoTの拡大が見込まれる業種はエネルギー関連

鳥巣氏は「IoTと相性が良い業種には、システムがすでに普及済み。今後は新規事業の開拓が急務になる」と語る。海外では、インテルがファッションブランドと提携してウェアラブル技術の普及を目指すといった報道が話題となった。こうした動きは日本国内でも見られており、富士通IoTプラットフォーム、KDDI M2Mクラウドサービスなど、“業種を問わず手軽にIoTを実現できるプラットフォーム”を提供するサービスが注目されつつあるとのことだ。

業種を問わず手軽にIoTを実現できるプラットフォームを提供するサービスが注目されつつある

製造業、輸送業などと親和性の高かったIoTだが、今後はこれまで縁がなかった業種にも拡大していくことが見込まれている。特に鳥巣氏が「2015年にIoTの動きが浸透する」と見ている業種はエネルギー関連。電力料金の高騰により、小売業者としては店舗の光熱費をいかに低く抑えるかが死活問題となる。このため、IoTを活用して電力料金の効率化を図る動きが活発化するとの見立てだ。実際、電力の効率化を図れる通信機能付きの電力計「スマートメーター」が売れているという。さらには「電力の小売り自由化の動きも追い風になる」(同氏)という。

今後はこれまで縁がなかった業種にもIoTが拡大していくことが見込まれる

IDCでは「事業者にとって、顧客のニーズに沿ったプラットフォームをいかに選別していくか、その努力が必須になる」と提言する。IoTに、いかに付加価値を付随させたサービスを展開できるか。「斬新なアイデアを創造すべく、事業者同士の連携を推進すべき」だと提言した。

また、「事業者はIoT関連のグローバル団体への積極的な参加を通じ、自国の技術やノウハウのプレゼンスを確立する」ことの必要性も指摘。かつて、国内の携帯電話メーカーは「フィーチャーフォン」という、世界でも有数の組み込み系技術による製品の開発に成功した。しかしグローバルに出て行かなかったために、スマートフォンに負けてしまった。こうした経緯をふまえた上での提言となっている。

フィーチャーフォンがスマートフォンに負けた経緯も踏まえた、IDCの提言

(記事提供: AndroWire編集部)