ローパスレスセンサーと「EXPEED 4」で撮った

「D5500」のファインダーは視野率95%、倍率0.82倍のペンタミラーを採用。この部分はまだ「D7000」のほうがすぐれており、「D5500」をのぞくとまわりの黒枠の部分が広く感じる。ファインダーの見え味は写真の画質には無関係だが、気になる人もいるだろう。

AFはフォーカスポイントが39点と多く、気分よく使える。AFの速度はズームキットの「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II」では素早く動いてストレスを感じさせないが、普段から使っている「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」では、それよりちょっと速度が遅くなった。

撮像素子は2416万画素ローパスレスのCMOSセンサーで、画像処理エンジンは「EXPEED 4」が搭載されている。連写は約5コマ/秒、静音撮影、インターバル撮影、HDR機能も搭載。GPSが非搭載となったが、Wi-Fi機能は搭載されている。

「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II」の広角側は27mm相当、望遠側は82.5mm相当となる(ともに35mm判換算)。多くのスマホのレンズが28mm相当なので、広角側で違和感なく撮影できるが、できればもう少し広い画角がほしいところだ。望遠側は80mm以上あるので絞り開放にすれば、それなりにボケる。約195gと驚くほど軽いが、そのコンパクトさからは想像できないほど写りはまともである。望遠も広角もシャープになりすぎず、家族のポートレートなどに最適だと思った。

高感度はISO25600まで使えるが、私が普段使うなら、ISO1600か3200が許容範囲かなと感じた。また、暗いシーンではAFが迷うことが多かったが、これはキットレンズの開放絞り値が暗いのが原因かもしれない。

結論として「D5500」は、必要十分な性能を備え、タッチパネルなどの新機能も搭載したハイコスパなお買い得モデルである。一眼レフをこれから使いこなしたいというビギナーと、毎日のように一眼レフを使っているけどそろそろボディが重いのは勘弁と思っている人に使ってほしい。グリップが細身でタッチパネルが使えるので、女性にも自信を持ってオススメできる。

暗い場所にハイライト的に光が当たっている条件。暗い場所の階調がつぶれずに再現されている。ハイライトはやや飛び気味だが全体的にはこれが正解だ
1/30sec f5.6 ISO125 27mm相当

上の広角作例と同じ位置から望遠端で撮影。絞り優先AEモードでISO感度オートで撮影しているため、かなり高感度になったが、解像度が高く髪の毛やファーの柔らかな質感もしっかり再現されている
1/100sec f5.6 ISO1250 82mm相当

約5コマ/秒での連写作例。モデルにジャンプしてもらい連写した。狙い通りの位置で撮れたので、お子さんの運動会のゴールの瞬間も撮れると思う
1/1000sec f4+0.67補正 ISO125 36mm相当

バリアングル液晶とタッチシャッターを使った自撮り。広角端27mmなので彼女もスマホ感覚で撮れるようだ
1/1000sec f3.5 +0.67補正 ISO250 27mm相当

スペシャルエフェクトモードのフォトイラスト。どんなシーンでも面白い効果が得られる使い勝手のいいエフェクトだ
1/320sec f9 ISO200 31mm相当

こちらはお馴染みのトイカメラ風。周辺光量が落ちて、色合いもクラシックな感じになっている
1/320sec f9 ISO200 31mm相当

セレクトカラーを使って赤だけを抽出しようと思ったのだが、手と顔の一部の色も拾ってしまった。コートの白も残ったがこれは設定ミスかもしれない
1/320sec f9 ISO200 31mm相当

暗いシーンをISO400で撮影。非常にキレイ。常用感度はISO400スタートでいいのではと思った
1/15sec f4.5 ISO400 34mm相当

ISO3200まで感度を上げた。100%で見るとさすがに描写が甘く、粒子も荒れているが、A4プリントサイズぐらいまでなら問題ないだろう
1/100sec f4.5 ISO3200 34mm相当