――今まででいちばん辛かった役は?
『夜行観覧車』(2013年 TBS系)というドラマに出た時でした。すぐに癇癪(かんしゃく)を起こしてしまう役で、家で怒られた時に役柄のまま「暴れたい」という気持ちになったりしたんです(笑)。いじめられている役だったので、実際にいじめられているような気持ちになって。「学校に行きたくない」と思ったこともありました。
――あの作品をきっかけに杉咲さんを注目する人が増えたと聞きます。
やっぱり、インパクトがあったんだと思います。でも、あの作品に出会えて本当に幸せでした。
――現在の事務所・研音に入ったのが2011年。志田未来さんに憧れて応募したそうですね。
そうです。もともとドラマを観るのが好きだったんですけど、中でも『女王の教室』と『14才の母』と『正義の味方』。全部、志田さんが出演されていて「志田さんみたいになりたい」と思うようになりました。母と事務所を調べて、オーディションを受けました。
――近年の活躍はご家族も喜んでいらっしゃるのでは?
どうなんでしょう…。あまり、感想とか言われないんですよ。でも、私の出演作を観たがるんです。やっぱり、迷惑をかけてるせいか(笑)。「一体どんな作品が花をそうさせているの?」と思いながら観るみたいです(笑)。
――昨年は日経トレンディの「2015年の顔」に選ばれましたね。
どうして私を選んで下さったんだろうと思いました(笑)。とてもびっくりしましたけど、うれしかったです。でも…記者さんの前に立った時にすっごく緊張しました。基本的に大勢の人の前で立つのが苦手で。「こんなにたくさんの人が見てる!」と思うと緊張してしまいました(笑)。
――これからそういう機会がどんどん増えると思います。舞台もその1つですよね。
舞台は挑戦してみたいです。どうなってしまうのでしょう…やったことがないのでどうなるのかは分かりませんが、演じて人の前に立つのはまた違う感覚だと思います。雑誌の撮影や取材が難しいなと思うのは、役を演じていない私自身だからです。話すことはまだ大丈夫なんですけど、カメラに写るのがちょっと緊張してしまいます(笑)。
――舞台に立たれる日を楽しみにしております。それでは最後に2015年の抱負を。
今まではドラマが多かったんですが、2014年は映画の撮影がたくさんありました。ドラマが好きでこの世界に入ったんですが、新しい物を見て、新しい場所に立って感じたのは、「映画は1つの物をすごく大事に撮る」ということ。2014年は「映画が好き」と感じて、「もっと映画に出たい」と思えるようになった年でした。2015年はその思いを届けることができるので、すごくうれしいですし楽しみです。無事に届けられればいいなと思います。
■プロフィール
杉咲花
1997年10月2日生まれ。東京都出身。身長152cm。B型。これまで、『夜行観覧車』(13年TBS系)、『なぞの転校生』(14年テレビ東京系)、『MOZU』(14年TBS・WOWOW)、現在放送中の『学校のカイダン』(日本テレビ系)など数多くのドラマのほか、昨年は『思い出のマーニー』で声優を務める。今年は本作のほか、『愛を積むひと』が初夏に公開される予定となっている。
(C)池辺葵/講談社・「繕い裁つ人」製作委員会