カシオウオッチのフラッグシップブランド、「OCEANUS」の高い品質と信頼性をめぐるシリーズ連載。前回は、製造の鍵を握るプレミアムウオッチ・ファクトリー「山形カシオ」の概要と、OCEANUSの製造工程を紹介した。今回は実際の生産ラインを詳しくレポートしよう。
シリーズ「オシアナス・クオリティ」 - プレミアムウオッチ・ファクトリー「山形カシオ」にどっぷり潜入(第1回) | |
シリーズ「オシアナス・クオリティ」 - プレミアムウオッチ・ファクトリー「山形カシオ」にどっぷり潜入(第3回) |
生産ライン内はクラス「10000」(詳細は割愛)というクリーンルームなので、まずマスクと防塵服を着用する。頭のてっぺんからから足の爪先までを完全に覆って、ホコリをシャットアウト。エアシャワーを通って入室する。もちろん、社員もすべてこのプロセスを経なければ中に入ることはできない。取材用の紙やペンは、カシオから支給されるもののみ持ち込むことができた(無塵対策。デジタルカメラとICレコーダーは持ち込みOKだった)。
まずはアナログブロックのラインへ。ここはアナログ時計の心臓部を製造する重要な工程だ。ラインは運動場のトラックのようなオーバル状に構成されており、ここを樹脂トレイが流れている。
この樹脂トレイは、ブロックのベース(メインプレート)がセットされ起点を出発。ラインを一周するうちにいくつもの微細な歯車やモーターが複雑にセットされるのだ。終点で完成したブロックを取り外した樹脂トレイには、新しいメインプレートがセットされるという具合。こうして、アナログブロックが量産されていくのだ。
なお、アナログブロックのラインには、時計のりゅうずで直感的な操作が可能な「スマートアクセス」採用モデルに搭載される、電子式リューズスイッチの製造ラインも含まれる。リューズスイッチは特に細かなパーツが多く、くしゃみをしただけでパーツが飛び散ってしまいそうだ。それゆえ、他のラインに比べて機器の調整や製造の難しい部分が多いとのこと。