Samsung/GlobalFoundries Process - 14nmの現状をおさらい

GlobalFoundriesの20nmに関しては先ほどAMD GPUのところで説明したので割愛し、Samsung/GlobalFoundriesの14 LPE/LPPについて若干の情報を。実はこちらからあまり新情報は無いのだが、

  • Samsungは14LPEのテストチップを2012年から30種類以上Tape outしている。
  • すでに複数の製品のTape outが終わっている。
  • SamsungのFab 1/2/3は当然14nm LPEの準備が終了。GlobalFoundriesのFab 8も順調に立ち上がっている(Photo15)。
  • 2015年第1四半期末には本格量産開始(Photo16)。

といった状態が今年10月時点での状況である。当初のApplicationはAppleのA9だが、歩留まりはともかくとして、特性そのものにはいまのところ特に問題は無い模様だ。

Photo15:主要なパラメータについての比較に関して、Fab 8で製造したチップは100%ターゲットスペックに入っているとしている

Photo16:2015年に本格量産に入るが、すでにMPW(Mass Production Wafer)は2014年第4四半期から生産を開始している

Samsung/GlobalFoundriesもまた10nm世代に意欲を見せているが、Samsungの場合はAppleの意向が問題になるし、GlobalFoundriesの方は2014年10月に発表されたIBM Semiconductor Divisionの買収に伴うリソースの統合や技術の見直しなどをまず行ってから、ということになるので、何らかの動きがでるのは2016年に入ってからで、恐らくターゲットは2017年以降となると見られる。

ということで

久々に元旦記事としてロードマップをお届けした。お分かりの通り、現在はプロセスの微細化が非常に難渋しており、これに伴い製品のUpdateもどんどん間延びしつつある。これまでのPC業界がいかにプロセス微細化に頼って製品を送り出していたかという証拠とも言えるが、これから先はプロセスの微細化はかなりスローになってゆく。

今回は取り上げなかったが、Flash Memoryもかなり微細化が限界に達しており、しかしながらこれに代わる新メモリ(ReRAMとSTT-SRAMがその最右翼で、ReRAMがNAND Flashの一部置き換え、STT-SRAMはDRAMとNAND Flashの間に新しい階層として入りそう)はまだ当分登場しそうにない。なので、当面はNAND Flashの3D化(すでにSamsungは製品化している。また東芝も技術的には完成しており、後は出すタイミングを計っているというべき状況)でしのぐ形になっている。

そんな訳で、2015年は2014年にも増して新製品の投入が無い状況が続きそうだ。まぁとりあえずCOMPUTEXのタイミングまではじっと我慢というあたりだろうか。