端末単体での独自機能が難しくなっている中、ウェアラブル端末にも注目が集まり始めている。メガネ型、腕時計型が主流だが、今のところは「変わり種」の域は出ていない。来年の「Apple Watch」の登場以降が本番という見方もできるが、現状はまだ腕時計やメガネのように常用できるものとは言えないだろう。

今後、ウェアラブルがSFのような世界に進んでいくのか、それとも業務の一部で使われるだけになるか(一部業務用途では十分便利に使えるものになるだろう)、来年の動きを期待したい部分だ。

変わり種といえば、個人的に注目しているのがパナソニックの「LUMIX DMC-CM1」。1インチの大型の撮像素子を搭載し、35mm判換算で28mm F2.8の単焦点大口径レンズを搭載したデジタルカメラだが、OSにはAndroid 4.4を搭載し、4.7インチのフルHDタッチパネル対応液晶を搭載したスマートフォンとも言える。

パナソニックのAndroid搭載デジカメDMC-CM1

実際、Androidスマートフォンとしての機能はすべて備えているが、あくまでパナソニックは「デジタルカメラ」としてアピール。内部的にはカメラ用の画像処理エンジン「ヴィーナスエンジン」をハードウェアとして搭載しており、ライカブランドのレンズも採用するなど、画質面でも、同社のデジカメ「LUMIX」と同等と言ってもいい。

これまでもAndroid搭載デジカメはあったが、ハードウェアとしての画像処理エンジンをはじめ、デジカメとしての機能をきちんと搭載し、さらに1インチの大型センサーとライカ銘の単焦点レンズを採用した点が新しい。スマートフォンの通信機能とアプリによる拡張性を高級コンパクトデジカメに取り込んだ、という位置づけで、あくまでデジカメというのがポイント。

スマートウォッチでも、単独で携帯通信が可能な「Gear S」のような製品も出ているが、スマートフォンの技術を生かして、通信機能を取り込んでいく機器は、今後も増えていくだろう。そうした製品が、「変わり種」で終わるのか、一般的な製品として普及するのか。変わり種が好きなので、来年はさらなる企業がいろいろなチャレンジを行ってくれることを期待したい。

スマートウォッチのGear S。Tizen OSを搭載し、携帯通信も可能

変わり種といえば、背面に電子ペーパーを搭載したロシアのYotaPhoneも変わり種